2022年3月10日木曜日

東京フィル第966回サントリー定期シリーズ

2022-03-10 @サントリーホール



ミハイル・プレトニョフ:指揮
東京フィルハーモニー交響楽団

スメタナ:連作交響詩『わが祖国』(全曲)
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J.S.バッハ:G線上のアリア(弦楽合奏)


コロナの為に来日できず、公演中止3回!
プレトニョフ執念の4度目の正直「わが祖国」全曲。

しかし、東欧の小国の民族意識を高揚させる音楽をロシア人が振るって、タイミング良くなかったね。
勿論プレトニョフ個人にはなんら関係のないことだけど。

客席も舞台も、妙な緊張感が漂っていた。
終曲後ホッとしたか、オケのメンバーに少し笑みが生まれたが、アンコールをやらない方が良かった。
G線上のアリアが、まるで「ウクライナ鎮魂歌」に聴こえて、弾き終えたオケの面々からもすっかり笑みが消えてプレちゃんはそこそこに舞台を去った。
本来なら、絶賛拍手の嵐の中、舞台に呼び戻されていたろうに。マエストロには気の毒だった。客席も盛上りを欠いた。

さて、「わが祖国」は色んなオケで聴いたが、個人的には一度も良かったと思ったことがない。全曲の構成感がなかなか掴めない。管弦楽化も問題あり?

今日は、曲間休止が短めで、緊張感が持続し、冗長感はなかった。
が、気候のせいか、弦の響が硬く潤いに欠け、よく鳴るブラスに完全に負けていた。





ところで、「わが祖国」の第1曲目「高い城」に出てくる進軍ラッパが、目下世間を騒がせている「1812年」の終盤、ロシア帝国国歌を先触れし、重なって盛り上がる部分そっくりって、気のせい?

我が祖国第1曲「高い城」


1812年序曲(ロシア軍の到着)



♪2022-032/♪サントリーホール-04