2022年3月5日土曜日

神奈川フィル創立50周年記念公演 〜川瀬賢太郎常任指揮者退任公演〜 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第375回定期演奏会

2022-03-05 @県民ホール



川瀬賢太郎:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
小曽根真:ピアノ*

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番Cm Op.18
マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」
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小曽根真:My Tomorrow


今日は賢太郎氏8年間の神奈川フィル常任指揮者としての最後の公演だったが、残念ながら今日の出来は「ハズレ」とは言わないまでも「アタリ」とも言えなかった。

でも氏の功績は大きい。
特に在任期間の後半、神フィルがメキメキ腕を上げてきたのは彼の薫陶の成果だろう。

就任後に揉めていた労使紛争が解決し、解散の危機も囁かれた財政赤字もなんとか乗り越えて、団員もようやく音楽に専念できる環境が整いつつあるタイミングでの就任だから、賢太郎氏の音楽的才覚だけでオケが腕を上げた訳ではないはずだが、その点を考慮しても寄与する処大だった。

この後、4月からは沼さんが引き継ぐのが楽しみで、ますます磨き上げてほしい。

地元贔屓ではなく、本気で、日本の三大オケくらいの実力を時として発揮する実力を持っていると思っている。

(ま、今日のマーラーなんか聴いていると、日本の五大オケくらいかと思ってしまうけど…。)

前半は小曽根真がラフマ2番を弾いた。彼の協奏曲は、これ迄にモーツァルト2回、バーンスタイン、ガーシュイン、ラフマニノフⅡ番2回聴いた。

毎回、今日も、Jazzyなアドリブ入りだった。
公演主催者はそれがウリでもあり、軽いアドリブをお客が楽しみにしている、と考えているのだろう。彼自身も?

これが🅐一つのジャンルを築けるならいいが、純粋クラシックでもなく、ましてやJazzでもない音楽はイソップの蝙蝠みたいな末路を辿りはしないか?

🅑全曲Jazzぽくアレンジするか、🅒作曲家の書いた楽譜に忠実にやるか。
僕は、🅐軽いアドリブなどでお茶を濁さず🅑を試みてほしいと思う。

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どうしようかと思ったけど、メインの「巨人」について触れないのも、寝ていたのかと思われそうだから、ちょこっと書いておこう。

マーラーには奥手だったので今もあまり素直になれない。
でも、大袈裟な編成によるこけ脅し的で、見栄えの良い、劇伴みたいで、俗ぽいところが時にツボに嵌る事がある。
過去に、Pヤルヴィが首席指揮者になる前のN響との演奏。
エストラーダ指揮hr響の演奏等指揮者の構成力とオケの技量と聴き手の素直な心が重なった時に、”超特盛大管弦楽曲”として楽しんだ。

が、三者が噛み合わなかったり、不足していると長いだけの悲惨な結果に。

今日は、少なくとも後2者に欠けるところがあったので、終演後の大拍手の渦に囲まれながら一人白けていた。
ティンパニー2組も、ホルン7人の立奏も、木管を銃のように構えるのも、音楽的には必然とは思えない。

ああ、なんて俗っぽいんだ!これはショーか!
…の疑問を問答無用に吹き飛ばす演奏を聴きたい。

♪2022-030/♪県民ホール-05