2022-03-25 @東京文化会館
岡本侑也:チェロ
河村尚子:ピアノ
ドビュッシー:チェロ・ソナタ ニ短調
ブーランジェ:チェロとピアノのための3つの小品
プーランク:チェロ・ソナタ FP143
ブラームス:チェロ・ソナタ 第2番 ヘ長調 op.99
--------アンコール--------
ブーランジェ:ヴァイオリンとピアノのための2つの小品 第1番 夜想曲(チェロ版)
シューマン:ミルテの花より 献呈
ドビュッシー:美しき夕暮れ
岡本くんは昨夏カーチュン・ウォン+都響で聴いたのが最初で、その時とても驚いた。あの美しい響きは只者ではない。
で、この2人のDuoとなれば期待せずにおれなかったが、今日はその大きな期待を軽々超えた!
河村ちゃんは登場してあの愛嬌溢れる笑顔をみせただけでもう気分はお花畑の如し。ピアノに向かう表情を見るのも楽しい。ああ、彼女は今、音楽している!
プログラムはブラームス以外は初聴きというサービス精神に欠けるものだったが、それだけに2人の気合を感じた。
果たして岡本くんの第一声の美しさは?
これが半端ではなかった。
いろんなチェリストのいろんな音色を聴いてきた。
これまで一番美しい音を出すのは宮田大だった。
しかし、今日確信したよ。岡本くんの音色が実に美しく、力強い。こんなに綺麗な音は滅多に聴けないと思う。
つい先日、この会場で室内オケによるピアノ協奏曲をほぼ同じ席で聴いたのだけど、響きが違う。協奏曲でのピアノの位置は客席寄りだが、今日はチェロが前に出て、ピアノは後ろだ。それだけの違いだが、音が柔らかい。タッチの違いもあるだろうけどこんなに違うとは!
少なくとも配置によってPfの響きが変わるのは間違いない。
ともかく、河村ちゃんの特に低域の美しさにはジーンときたよ。
PfとVcの両者が、音楽の根本である楽器の”音”において比類ない美しさを聴かせてくれた。
音だけではなく、表現技術、解釈も必要だろうが、まずもって”音”が大切。美しい音が出せないなければ”音楽”にはならない。
こんなに美音なら、音階練習だって聴いていたいよ。
♪2022-042/♪東京文化会館-05