2018年11月13日火曜日

みなとみらいクラシック・マチネ~名手と楽しむヨコハマの午後〜 トリオ・アコード

2018-11-13 @みなとみらいホール


ピアノ三重奏団「トリオ・アコード」
 白井圭:バイオリン
 門脇大樹:チェロ
 津田裕也:ピアノ

【第1部】
ブラームス:ピアノ三重奏曲第1番ロ長調 作品8
-----------アンコール
ブラームス:ワルツ 作品39 から 第15番(ピアノ三重奏版)

【第2部】
ブラームス:ピアノ三重奏曲第2番ハ長調 作品87
ブラームス:ピアノ三重奏曲第3番ハ短調 作品101
-----------アンコール
ブラームス:子守唄(ピアノ三重奏版)

ブラームスのピアノ三重奏曲全曲という硬派の演目が、小ホールと言え1部・2部とも満席だったのには驚く。

「トリオ・アコード」は津田祐也ピアノ、白井圭バイオリン、門脇大樹チェロが編成。いずれも室内楽、オーケストラでも活躍しているが、3人一緒でトリオで聴くのは初めて。
また、ブラームスのピアノ三重奏曲3曲全曲を通して聴くのも初めてだった。

みなとみらいホールは小ホールの方も響きが良くて、個々の楽器の音も重なりも美しい。

門脇のチェロは神奈川フィルの首席なので数多く聴いているが、ソロとしての音の良さに驚いた。

白井のバイオリンは先日のラザレフ+日フィルの定期で、ショスタコーヴィチの交響曲第12番という凄まじい大曲コンサートの客演コンマスの大役を努めたが、なるほどその実力は室内楽でも存分に発揮された。力強い。

ブラームスのピアノ三重奏曲全曲(だけに限らないが)に共通するのは、牧歌的だったり、メランコリックだったりの分かり易い主題が、決してそのまま情緒に流れることなく禁欲的に昇華され、弾けそうで弾けないギリギリの情念がコントロールされるところにこそむしろブラームスの秘めたエネルギーを感ずることだ。それがブラームスの魅力の一つだと思う。

とても3人で演奏しているとは思えないような精妙で重厚なアンサンブルが響き渡る空間で、美音に癒やされ、少しはブラームスの心境に近づけたような気もしたが。

♪2018-146/♪みなとみらいホール-32