2018-11-29 @紀尾井ホール
河村尚子:ピアノ
ベートーベン:ピアノ・ソナタ
第18番変ホ長調 Op.31-3「狩」
第21番 ハ長調 Op.53「ワルトシュタイン」
第24番嬰ヘ長調 Op.78「テレーズ」
第23番 ヘ短調 Op.57「熱情」
-------アンコール
エリーゼのために
2年でベートーベンのピアノ・ソナタ14曲を弾くプロジェクトの2回目。
今日は18、21、24、23番(第1回は4、8、7、14番)だった。
前回のフィリア・ホールではピアノの響きに難を感じたが、今回の紀尾井ホールでは残響が程良くピアノという楽器の音自体も楽しめる。
渾身の演奏は、非常に速い弱音のフレーズでも玉を転がすように輝いて聴こえる。ダイナミック・レンジも広く感情表現は豊かだ。おそらく彼女が明確な意思で音楽を構成しているように思う。
前回も8番「悲愴」、14番「月光」というポピュラーな作品が選ばれたが、今回も21番「ワルトシュタイン」や23番「熱情」という人気曲が含まれた。人気曲ではあるけど、内容的にも演奏技術の面でも一段と高度になっているように思えるが果たしてどうなのだろう。
前半では1曲毎にいったん袖に引っ込んだが、後半は「テレーズ」が終わって一呼吸置いただけで、「熱情」を始めた。そこに気合や覚悟を感じたが、演奏もまさにPassionateな力強さに溢れていた。
また、音楽表現は指先にとどまらずキュートな表情も見える音楽だ。
♪2018-157/♪紀尾井ホール-1