2023-08-01 @ミューザ川崎シンフォニーホール
セバスティアン・ヴァイグレ:指揮
読売日本交響楽団
ベートーべン:交響曲第8番ヘ長調 Op.93
ワーグナー/フリーヘル編:楽劇「ニーベルングの指環」
-オーケストラル・アドベンチャー-
FSMuzaは今年は10本聴くが、中で1番の楽しみが今日の読響…というより、指環オケ版だ。
しかも、ヴァイグレも1年ぶりだが、コンマスがVn界の百済観音、日下紗矢子姫❤️だというのが誠に嬉しい。
スリムな長身で、コンマスならではのメリハリのあるボウイングが美しい。
さて、指環。
いろんな編曲ものがあり、生でもCDでもいろいろ聴いているが、中でも今日のフリーヘルによるものが一番成功している気がするし、好きだ。また、多くのオケが取り上げるのもこの版が多く、N響9月のCプロもこの版だ(楽しみ!)。
この編曲では、全4部の物語の順番に沿って音楽を選択している。
声楽部分は当然カットされているが、それを器楽で補うことをせず、ワーグナーが書いた管弦楽の美味しい部分をその楽譜のまま用いている。
フリーヘルが手を加えたのは、楽曲の接合部分だけで、これが実に自然で全く違和感がない。
全曲60分強にわたって一度も休止することなく、ワーグナーの描いた絵巻がオペラ本編をイメージしながら味わえるところがたまらない魅力だ。
で、どうだったか。
多分全曲中一番難しいのが第1曲だと思うが、最弱音から同一(分散)和音を執拗に繰り返す(5分超!)、もやもやの霧の中で世界が目覚めてゆくように管楽器が加わって増えてゆくが、ここがやや不本意な出来だった。
しかし、その後は、段々よく鳴る法華の太鼓で、一気に指環の世界を展開させた。
終曲のタクトはなかなか降りない。まあ、これだけの大曲だ、簡単には気持ちの整理がつかないのだろう。
感心したのは客席で、同じように呼吸を整えて、タクトが降りるのをずっと待った。野暮な飛び出しはなし。完全にヴァイグレのタクトが降りきって、初めて、どっとブラボーの嵐。
いつも愛想のないヴァイグレも繰り返しCCに応じ、だいぶご機嫌だったようだ。そういえば、FSMuzaは初めての登場だったな。相当良い印象を残したろう。また来年も来ておくれ。コンマスは日下紗矢子❤️で!
♪2023-136/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-16