2016-07-02 @県立音楽堂
千住真理子:バイオリン*
大井剛史:指揮
東京交響楽団
モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲 K492(管弦楽のみ)
モーツァルト:バイオリン協奏曲第5番イ長調 K219 「トルコ風」 *
エルガー:愛のあいさつ (管弦楽のみ)
クライスラー:「愛の喜び」「愛の悲しみ」「美しきロスマリン」*
モーツァルト:ディヴェルティメント第17番 ニ長調 K334から第3楽章 メヌエット(管弦楽のみ)
ベートーベン:ロマンス第2番 ヘ長調 op.50*
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン*
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アンコール
モンティ:チャールダッシュ*
みなとみらいホールやミューザ川崎シンフォニーホールのような大きな会場ではなく、1100人しか入らない音楽堂でのリサイタルというのが楽しみだった。しかも、前から15列目はバイオリン+ピアノという組合せを聴くには理想的だ(と勝手に思っている。)。
尤も、音楽堂はたいていどこで聴いても音響面でがっかりすることはないから、あまりこだわりはないのだけど。
オーケストラのみの演奏もあったが、小ぶりの編成でシャキッとした演奏だった。残響が短いホールなので、下手なオケは弦のアンサンブルのまずさがすぐ露呈するが、今日の東響は乾いた糸のような繊細な響が好ましかった。
そして、何より千住の良く鳴るバイオリンに驚嘆。
楽器(300歳の銘器ストラディバリウス「デュランティ」)のせいもあるだろうが、先日、みなとみらいホールで聴いた石田泰尚の音とはまるきり違う。ピンマイクで音を拾っているのではないかと思わせるくらい明瞭で音圧がある。
石田の音も悪くはないが、中3日で千住の音を聴くと比較せずにはおれない。
楽器の違いのほかに会場の違いも大きいだろう。
これまで、みなとみらいホールやミューザでの美女トリオ(長谷川陽子、仲道郁代)でも千住の独奏を聴いていたが、やはり、音楽堂で聴いた音は決定的に違う。
蚊の鳴くようなppから熊も逃げ出しそうなff迄自在に操り音楽堂空間まで楽器にしてしまった。
演奏技術や音楽性の前に、音楽は「音」こそが基本だ。
その「音」があまりに見事なので、素晴らしいテクニックを駆使して演奏してくれる名曲に驚きと感動が一層増幅した。
♪2016-090/♪県立音楽堂-06