2015年9月19日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第310回横浜定期演奏会

2015-09-19 @みなとみらいホール


藤岡幸夫:指揮
ソヌ・イェゴン:ピアノ(第5回仙台国際音楽コンクール優勝)*
半田美和子:ソプラノ
鈴木准:テノール
浅井隆仁:バリトン
日本フィルハーモニー交響楽団
合唱:日本フィルハーモニー協会合唱団

【輝け!アジアの星 第10弾】
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番*
グノー:聖チェチリア祝日のためのミサ・ソレムニス
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アンコール(ピアノ)
メンデルスゾーン(リスト編曲):結婚行進曲

ラフマニノフのピアノ協奏曲はオーケストラの定期演奏会でも取り上げられることが多いが、そのほとんどが第2番で、第3番は記憶にある限り1回しか聴いていない。さらに第1番、第4番となると一度も聴いていない…と思う。

第2番の人気が圧倒的に高いのは、映画「逢びき」や「7年目の浮気」などで使われたせいもあるのだろう。

それにしてもプロのピアニストにとって第1番や第4番は面白く無いのだろうか?
普通のオーケストラコンサートではピアノ協奏曲が単独で演奏されることはない。交響曲など大規模曲と抱き合わせなので、お客に人気がない曲だって取り上げることは可能なのにどうして演奏されないのか。
時々それらをCDで聴くが、この2曲は第2番や第3番のような哀愁に満ちた甘いメロディーはほとんど出てこないけど、ラフマニノフらしい華麗なピアニズムは十分魅力的だけどな。


で、今日の第3番。
第2番に比べても遜色のない叙情性が溢れていると思うけど、この曲も何故か演奏機会が少ない。
一つにはあらゆるピアノ協奏曲中ピアノにとって最難関だとも言われているからかもしれない。それに他の3曲に比べて演奏時間が長い(プログラムに記載された演奏予定時間は38分だったが、手持ちのCDでは47分<アシュケナージ>)のも一因かもしれない。

…なんて心配してもしようがないが、初めて聴くソヌ・イェゴンはまだ26歳という新進気鋭。この難曲を堂々と弾きこなして…当然なのだろうけど…十分の満腹感あり。

グノーの「聖チェチリア祝日のためのミサ・ソレムニス」という作品は、その存在すら知らなかった。この曲が演奏されることは当然前もって分かっていたけど、予習するゆとりもなくて、いわば、白紙状態で臨んだ。
もっとも、グノーの他作品もバッハの平均律第1曲前奏曲が伴奏になる「グノーの<アヴェ・マリア>」以外はオペラの作品名だけいくつか知っているくらい縁の遠い作曲家だったが。

さて、このミサ曲は、演奏時間が長い(約50分)というだけではなく、管弦楽に3人の声楽独唱と混声合唱(200名位並んだ。)、さらにパイプオルガンまで加わるという、大規模曲だ。

ミサ曲ではあるけど、普通に聴き慣れた楽曲構成とはちょっと違っていたし、全体の雰囲気が妙に明るい。メロディも抹香臭さがなく、親しみやすいものばかりで、「キリエ~」と歌いださなければミサ曲とは思わないだろう。聖俗混交オラトリオ風味かな。

「ミサ・ソレムニス」と言えば、ベートーベンの作品を思い出す。
これは「荘厳ミサ曲」とも呼ばれているので「ソレニムス」には「荘厳」の意味があるのかと思っていたけど、本来は「大掛かりな」といった意味で、教会用語では「盛儀」ミサと呼ぶらしい。
確かにこのグノーの「ミサ・ソレニムス」は大掛かりなことこの上ない。再度ナマで聴く機会は当分ないと思うが、いずれもう一度聴いてみたい。

https://youtu.be/CZgV2eiEFv4

♪2015-90/♪みなとみらいホール-25