2015-09-16 @県立音楽堂
田中健:指揮
横浜交響楽団
マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲
(1863~1945)
マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調
(1860~1911)
この回から指揮者が交代制になったそうで、田中健氏がタクトを振った。えらく若く見えたけど、プログラムの紹介欄には77年生まれと書いてある。いろんなアマオケで指揮やコーチをしている人らしい。
その指揮ぶりは堂々としているし、身のこなしもベテランの風情があった。
一つ難点を言えば、「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲を振り終えた際の終止感(僕の造語。指揮者として、この音楽は終わりました、という感覚)を観客に伝えるタイミングが明確ではなかった。
生のコンサートは演奏者と観客の共同作業のようなものだけど、後者の出番は黙って聴くというほかは終曲を待って拍手をする・歓声を上げることしかない。この作業に円滑に入れることで気持ちを託した拍手に熱意がこもるし、カタルシスが具体化する。
でも、演奏が悪かった訳でもなく、曲の終わりがはっきりしなかったのでもなく、音楽は終わったけど、指揮者の意識の中ではまだ続いているかもしれない…そこが明確ではなかったので観客としては、溜め込まれた緊張を拍手によって一気に解放することができなかった。
フライイング気味の拍手がパラパラと起こったが、全体として拍手の盛り上がりを欠くことになりバツの悪い雰囲気が漂ったうちに休憩になった。
メインイベントのマーラーは多分アマチュアがやるには相当難しいのかな。
帰宅後スコアを見たら、馴染みのあるチェロのパートだけだけど、♯が4つとか♭が5つとかいう部分があって、個人的にはもうそれだけでお手上げだけど、そういうややこしい楽譜をちゃんとそれなりに音にしていたんだなあ、と感心をした。
問題はいくらもあった。やはり、ピッチが「不揃いの楽器たち」だ。
これはいつものことで、アマチュアの限界かも。
大活躍が期待されるトランペットも気の毒なところが随所に見られた。
でも、マーラーが恋人にプロポーズ代わりに贈ったという第4楽章のアダージェットは十分にロマンチックで美しかった。
いろいろあったけど、この大曲に挑戦する横響のパワーは素晴らしい。
♪2015-86/♪県立音楽堂-09