2015年9月6日日曜日

女神(ミューズ)たちの”愛のうた”

2015-09-06 @ミューザ川崎シンフォニーホール


千住真理子:バイオリンVn
長谷川陽子:チェロVc
仲山郁代:ピアノPf

J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第3番より プレリュード(Vc)
ショパン:序奏と華麗なるポロネーズ(Vc+Pf)

ショパン:幻想即興曲(Pf)
ショパン:夜想曲 第20番「レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ」(Pf) 
ショパン:練習曲 第12番「革命」(Pf)

マスネ:タイスの瞑想曲(Vn+Pf)
J.S.バッハ:無伴奏バイオリン・パルティータ 第3番よりプレリュード(Vn)
イザイ:無伴奏バイオリン・ソナタ 第2番より「幻影」(Vn)

チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の思い出に」(トリオ)
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アンコール
E.エルガー:愛の挨拶(トリオ)


このシリーズ、いつからやっているのかしらないけど、少なくとも2013年にはみなとみらいホールで聴いた。
その時のメインプログラムはメンデルスゾーンの第1番のピアノトリオだった。
今日は、チャイコフスキーのピアノトリオだった。
いずれも甘く切なく、ロマンチックだ。

お嬢さん方にはピッタリの選曲かも知れない。

僕がピアノ・トリオという形式の音楽に開眼したのは、ほかでもない、このチャイコのトリオを聴いてからだ。
冒頭のチェロから始まりバイオリンに受け継がれる主旋律に惹きこまれない人はいないだろう。

変則2楽章形式だが、前半は特に変わったところはないけど、後半の、特にコーダからは第1楽章の切ないメロディーがだんだんと大げさになって繰り返され、やがて、テンポを落とし、葬送行進曲にでしめやかに終わる。
そういう意味では暗~い音楽だ。
演奏に50分も要する長大曲だがセンチメンタルな情感のせいか長さを感じさせない。

あくまで個人的見解だけど、ピアノトリオには傑作が多い。
この楽器編成が作曲家に刺激的だったのだろう。
古典派(ハイドン、モーツァルト、ベートーベン)もたくさん傑作を作っているしシューマン、もブラームスも、メンデルスゾーンもドボルザークも数曲ずつ作曲している。
ショパンとチャイコフスキーが1曲しか作っていないのはなぜだろう。

コンサート前半は各自のソロとピアノとのデュエットにピアノソロだ。
バッハ「無伴奏チェロのための組曲第3番」からのプレリュードにせよ、同じく「無伴奏バイオリンのためのパルティータ第3番」プレリュードにせよ、聴くには物足りない。曲目を減らしても全曲聴きたかった。ただ、無伴奏バイオリンの2曲めがイザイの無伴奏ソナタ第2番から幻影というのは、良い選曲だった。

難曲、「偉大な芸術家の思い出に」では、特にピアノがときどき音を外していたが、勢いがあったのでさほど気にもならなかった。

今日のミューザ川崎シンフォニーホールでの席は、第2層のセンターの中のセンターという場所を選んだ。P席以外はどこも同額でランク無しだったので、普段聴いたことがないなるべく後方を選んでみたのだけど、音の響きはとても良かった。
以前、みなとみらいで聴いた際に千住真理子のストラディヴァリウスの音がやけに硬いという印象を受けたが、今日は、とても良い感じだった。

音楽とは関係ないけど美形3人の中では、千住真理子に親しみを感ずる。その真理子さんもデビュー40年だそうで、チャイコを弾くときにはメガネをしていたなあ。
いつまでもミューズでいてくれたらいいのだけど、そうもゆかんのだろうな。


♪2015-83/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-17