2022年6月26日日曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第378回定期演奏会

2022-06-26 @県民ホール



三ツ橋敬子:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
マルク・ブシュコフ:バイオリン*

ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」(原典版)
チャイコフスキー:バイオリン協奏曲ニ長調Op.35*
ボロディン:交響曲第2番ロ短調
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イザイ:無伴奏バイオリンソナタ第5番から*


要約すれば、非常に面白く充実した演奏会だった。
先ず「はげ山の一夜」に吃驚。
え!これはなんだ。僕は何を聴いているのだ?
…と事態がなかなか飲み込めなかったが、プログラムに小さく《原典版》と書いてあって得心した。
馴染みのR.コルサコフ版とは全然違う!

その謎解きに心奪われて音楽に集中できなかったが、オケの尽力にもかかわらず、バラバラ感が付き纏ったのは、やはりオーケストレーションに問題があるのではないか。R.コルサコフも手を入れざるを得なかったのだろう。

チャイコフスキー:バイオリン協奏曲一段と素晴らしかった。独奏バイオリンのマルク・ブシュコフは初聴きだが、独自色をチラチラ見せながら雄弁だった。音色も美しく音圧も高い。
2013年モントリオール優勝、19年チャイフスキー・コンクール2位(同年、金川真弓4位。ピアノ部門で藤田真央2位)という実績を感じさせた。

これは要注目の期待株だ。

鳴り止まぬ絶賛拍手で長いカーテンコールだったが、1楽章の後かなり確信的な拍手が方々から起こったのも宜なるかな。

メインディッシュがボロディン交響曲第2番。だいたい2年に1回の割で聴いているが、神奈川フィルでは初めて。

なので、馴染みはそこそこあったけど、聴く度に驚かされる。
ワインガルトナーはこの曲をチャイコフシキー「悲愴」と並んでロシア人の国民性が如実に反映された作品、と言ったそうだが、西欧化と民族性の両極端において説得力がある。
厚みのある弦が、今日は特段美しく響いた。3楽章ホルンソロも良し!

♪2022-093/♪県民ホール-08