2022-06-17 @東京芸術劇場大ホール
NHK交響楽団
リヴィエ・ラトリー:オルガン*
プーランク:バレエ組曲「牝鹿」
プーランク:オルガン協奏曲 ト短調
ガーシュウィン:パリのアメリカ人
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ボエルマン:ゴシック組曲 作品25から第4曲「トッカータ」*
指揮のステファヌ・ドゥネーヴは2015年のN響との初共演も6月定期だった。その時は全フランス作曲家(によるスペイン音楽?)プロだった。音楽のせいもあったかもだが、好印象を覚えている。
今回はプーランク2曲にガーシュイン(🇺🇸)。
前者の2曲はほぼ初聴き。
ガーシュインが最後を飾ったが、プーランクのオルガン協奏曲こそメインのような迫力と面白さがあった。
今日は第1曲から素晴らしい出来だった。
この日のマチネで新日フィルの上出来を聴いた後だったが、なんのなんの、さすがはN響の弦だ。格違いの透明感。
これで気持ちを掴まれて、次のオルガン協奏曲はなんて格好いい音楽だこと。
芸劇の響はそもそも硬めだが、オルガンもそれに合わせたかのような鋭く明瞭な音色だ。
ずっと前にもこのモダンな方を聴いたことがあって、その時もホールの響きが良かったのは…偶然だろうな。
でも、どちらの化粧であれ、オルガンが姿を見せない時は、天井からの反響版がオルガンを覆い隠すので、オルガンを使う時と使わない時ではホールの響きが確実に異なる。
素人の想像に過ぎないが、オルガンを覆う反響版はかえって、音を舞台上に籠らせているのではないか?
ところで、この作品。
弦5部にティンパニーとオルガンだけ。管楽器は1本も使われていない。最近、立て続けにこの管なし音楽を聴いている。5/22東響、5/30-31都響、そして今日のN響オルガン協奏曲。
この、弦5部とオルガンという親和性の高い楽器群が作り出す響はまるで異次元の強化拡大弦楽合奏を聴いているようで、今宵はその饗宴に酔った。
さて、今日で今季のN響Cが終了した。
最初は、芸劇の悪口ばかり書いていたが、馴れるとこういう乾いた音もまあいいか、という気になってきた。
そうなってくると、絶好・最良席との別れがツラい。