2021-10-24 @ミューザ川崎シンフォニーホール
ジョナサン・ノット:指揮
東京交響楽団
新国立劇場合唱団*
ソプラノ:三宅理恵*
メゾソプラノ:小泉詠子*
テノール:櫻田亮*
バスバリトン:ニール・デイヴィス*
デュティユー:交響曲第1番
モーツァルト:レクイエム K. 626(リゲティ:ルクス・エテルナを含む)*
指揮のジョナサン・ノットが来日できなくなった定期演奏会で、事前に指揮ぶりを収録したビデオで東響に(リハではなくお客を入れた本番で)演奏させた事は驚愕だった。
もし彼がベルリン・フィルやウィーン・フィルを指揮するとしたら、このような事をするだろうか?
しないだろうし、オケも受け入れないだろう。
日本のオケやお客をバカにしているのではないか。
そこからノット不信が始まった。
今回、モーツァルト「レクイエム」にリゲティ「ルクス・エテルナ」を混在させた事は、ビデオ指揮とは異なり、音楽表現上の問題だから罪は軽い。否、無罪かもしれないが、彼のコロコロ変わる思いつきがオケ関係者を振り回していることは確かで、この点は微罪処分に相当する。
当初のプログラムにはリゲティは含まれなかった。
1回目の訂正でモツ・レクの後に演奏すると発表され、
2回目の訂正で終曲前に挿入することとされた。
リゲティ「ルクス・エテルナ」は世界的に高明なペーター・ダイクストラ指揮スウェーデン放送合唱団で聴いたことがあり、精緻な和声?に驚き感心したので、モツ・レクとは独立して聴きたかった。
どうせ、モーツァルトの完全作ではないのだから、他人の、現代作品を挿入して演奏するのも、格別気にする事もないのかもしれないが、少なくとも苦労して今日の形を完成したジュスマイヤーには失礼かも。
今回、演奏中、ジュスマイヤーの手にならない2曲(「涙にくれる、その日」とリゲティ「ルクス〜」)の前には仏壇に置いてある鐘?がチ〜ンと鳴らされたのは、ジュスマイヤーよ、化けて出るなよ!というお祓いのようだ。
良い点:弦編成が8-8-6-4-3。声楽は30人程。これはスッキリと聴けた。それに演奏自体悪くなかった。
当初は東響コと発表されたが、これも新国合唱団に代わって良かった…と思っていたが、瑞典放送合唱団の透明さと滑らかさには及ばず。
あゝ違うなあ〜と思いながら聴いていたよ。
ブーイングが起こってもおかしくない演奏会だったが、客席はスタンディング・オーベイションで歓迎した。
♪2021-118/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-35