2021-10-22 @東京芸術劇場大ホール
ヘルベルト・ブロムシュテット:指揮
NHK交響楽団
グリーグ:「ペール・ギュント」組曲第1番 作品46
ドボルザーク:交響曲第8番ト長調 作品88
ほぼ2年ぶりのブロム翁だった。
登場を待つ間も含め、彼と同じ時間・空間を共有しているだけで、なにやらありがたい気持ちになる。
今回は早めに出かけて、休憩なし短時間公演の穴埋めか申し訳か、プレ室内楽も聴いた。
Vn1白井圭、Vn 2大林修子、Va佐々木亮のトリオでマルティヌー「セレナーデ2番」。
3人とも田中千香士門下生だったそうだ。
懐かしい名前を聞いたよ。N響コンマスの前に京響のコンマスもしていたな。
で、響の悪いホールでの弦楽トリオは音にふくよかさがないから全く面白くない。次回からパスしよう。
ところが、本番が始まるとN響の弦の響きが見事に美しい。
乾いた響きのホールなので、シャリシャリ感は払拭できないが、それさえも美しいと感じさせるピタッと揃った響に驚く。
白井圭のコンマスではもう何度も聴いているが今回が1番の上出来。彼の手腕かブロム翁の手腕か、全員が気持ちを一つにできたんじゃないか。
芸劇でもここまでやれるか!
管部門も各自が巧い。
今季C定期はコスパが悪いなと思っていたけど始まってみるとPヤルヴィの前回も良かったが、今回はそれ以上に至福の時を過ごした。
一頭地抜くN響の巧さ。
管弦楽とはこういうものだ、という基準となる演奏だ。
ま、これが良し悪しで、上出来を聴けばそれが物差しになり、それを超えるものが少なくなるジレンマが悲しい。
♪2021-116/♪東京芸術劇場大ホール-03