2021-10-21 @国立劇場
近松徳三=作
通し狂言「伊勢音頭恋寝刃」(いせおんどこいのねたば)
三幕七場
国立劇場美術係=美術
序幕
第一場 伊勢街道相の山の場
第二場 妙見町宿場の場
第三場 野道追駆けの場
第四場 野原地蔵前の場
第五場 二見ヶ浦の場
二幕目
第一場 古市油屋店先の場
第二場 同 奥庭の場
福岡貢 中村梅玉
藤浪左膳/料理人喜助 中村又五郎
油屋お紺 中村梅枝
油屋お鹿 中村歌昇
奴林平 中村萬太郎
油屋お岸 中村莟玉
徳島岩次実ハ藍玉屋北六 片岡市蔵
藍玉屋北六実ハ徳島岩次 坂東秀調
今田万次郎 中村扇雀
仲居万野 中村時蔵
ほか
2015年に梅玉の主演で国立劇場では初めて通し狂言としてかけられたのを観た。
今回は、同じく「通し」といっても初演時に比べて一幕少ない。
コロナ以降の芝居は、概ね短縮形になっている。
役者も梅玉の他は莟玉(当時は梅丸)が同じ役で出ている他は多分全員変わっている。
歌舞伎としては色々見処(二見ヶ浦の場、油屋奥庭など)があるが、主人公が妖刀のせいにして殺される程の罪もない者8人ばかりに斬りつけ、その部下が「切れ味お見事!」と持ち上げて幕という構成や演出にちょいと疑問あり。
返り血を浴びた梅玉の見得などは残酷美でもあるが陰惨な印象が残った。
中村莟玉が同じ役で出ている(前回は10代だった!)が、6年経って女の色っぽさが益々磨かれたようで同慶の至り。
梅枝もいい女方だし、いずれは父時蔵が演じた大きな役の仲居万野を演るようになるのだろう。
今回は歌昇が生涯初めての女方だそうだが、滑稽な味も出して初めてとは思えない良い出来だった。
♪2021-113/♪国立劇場-08