2021-10-16 @カルッツかわさき
アレクサンドル・ラザレフ:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
宮田大:チェロ*
ドボルザーク:チェロ協奏曲ロ短調 op.104
ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 op.73
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カザルス編:鳥の歌*
ブラームス:ハンガリー舞曲第2番二短調
オケより早く1人で登場してパントマイムショーで客席を笑わせたが、どうやら待機期間が不足していたらしい。
入退場は孤独に、指揮台周りは広く侵入禁止エリアが設定されていていた。
先月のPヤルヴィの場合はまろ氏が付き添っていたが、ラザレフは芸人だから1人無言コントで終演まで間を持たせ客席を沸かせた。
指揮台と独奏者宮田大との距離は間にVn1プルト入れても余るくらい離れている。コンマスは遥かに遠い。そのせいもあったか、ドボコンの出来はイマイチだった。
会場の響きの悪さが第一の原因で、音楽が薄っぺらく聴こえてしまう。宮田の音の良さは何度も経験しているが、カルッツではその美音に潤いがない。オケの響きも同様にとてもドライだ。
ホールの響きが悪いと演奏だけでなく作品の出来まで露見させてしまう…ドボルザークとブラームスの音楽の差だ。
後半のブラームス交響曲第2番は、響きのハンデを乗り越えてしまう重厚なアンサンブルに圧倒される思いだった。これぞ本来の日フィルの底力。ラザレフは見事にそれを引き出していた。久しぶりとは言え、彼の指揮で聴くのはずいぶん回数を重ねているが、今日は、この人の底力も強く感じた。素晴らしい音楽を聴かせてくれた。終曲時に、これは珍しいことではないが、タクトを振り下ろすと同時にくるりと身を翻して客席にドヤ顔を見せる。いやはや、今日の演奏は本気でドヤ顔が似合ったよ。
ところで、ドボルザークとブラームスは管弦楽に対する考え方・作曲技法等に違いがあるのは当然として、それが作品に刻印されているが、決定的には才能が違うのではないか。
それゆえに顕れる音楽そのものの持つ力の差を、響の悪いホールのお陰で感じ、今更乍らブラームスの偉大さが身に沁みた。
♪2021-112/♪カルッツかわさき-02