2021-10-21 @サントリーホール
大野和士:指揮
東京都交響楽団
藤村実穂子:メゾソプラノ*
すぎやまこういち:交響組曲「ドラゴンクエストⅡ」からレクイエム(氏の急逝を追悼して急遽追加)
R.シュトラウス:交響詩《死と変容》 op.24
ツェムリンスキー:メーテルリンクの詩による6つの歌 op.13*
R.シュトラウス:交響詩《ツァラトゥストラはかく語りき》op.30
「死と変容」…半分は睡魔と格闘。
「6つの歌」…不思議なもので、全曲歌の切れ目を覚えているのに夢心地。
休憩を挟んで一番聴きたかった「ツァラトゥストラ」は16型大編成で寝ているどころじゃない。
「2001年宇宙の旅」冒頭のファンファーレ!
ここでのオルガンや大太鼓、ティンパニー、コントラファゴット等の重低音は、その昔、再生テスト《LP》にも使われていた。当時の我が家のHiFi装置ではゴロゴロ鳴って失格だったが。
さて、この曲は19年4月N響Aを遅刻して聴き逃す痛恨のミスを犯したので、ナマは本当に久しぶり。
こういうド派手な音楽をやると、都響の失対事業のような大型編成が生きてくる。
弦もがんばるが、なんといってもバスドラムを軸に打楽器と金管が耳をつん裂く大音量で嬉しい。
静かな部分もあるが、ずっと緊張が張り詰めて最後のクライマックスを迎える。
哲学者枝雀が「落語は緊張と緩和の芸」と言っていたが、時間芸術とは押し並べてそういうものだろう。
最後に頂点に達した緊張は解き放たれ、穏やかな終曲を迎える…かに見せてどっこい、忘れ物をしたような不安を残す。
都響の力技がとても良かった。
♪2021-114/♪サントリーホール-14