2020年12月19日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第363回横浜定期演奏会「第九」❹

 2020-12-19 @みなとみらいホール


飯森範親:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
合唱:東京音楽大学合唱団

ソプラノ:中村恵理
アルト:富岡明子
テノール:城宏憲
バリトン:大西宇宙

ハイドン:交響曲第9番ハ長調 op.21
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」op.125


弦の編成は10型!

古楽編成ならもっと小規模の「第九」を聴いたことがあるが、モダンオケでこの編成は初めて。
しかし、響は驚くほど明瞭でパワフル。

飯森氏はいつもながら正統的な音楽を聴かせる。

ただ、第4楽章には若干違和感を覚えた。
荒々しさがなくえらく上品だ。物足りない。

とはいえ主題が出てくる頃からはダイナミックに盛り上がった。

一昨日同じホール、席も1列違い同番号で新日フィル「第九」を聴き、健闘ぶりを好感したが、日フィルの”音”は段違いの素晴らしさだった。

声楽独唱陣は指揮者より客席側に立ち、ビンビン響く。
特に中村恵理の声量は強烈・爽快。

ここまでは見事なくらい上出来。

問題は合唱だ。
P席に男女22+26人。
なんてこった!
全員がマスクをして歌う!

ここで白けてしまった。

どんなに頑張っても声は内に籠る。
発声語尾の明瞭さに欠ける。

終演後、日フィルスタッフに「彼らは全員コロナ感染者かね」と尋ねた。
 ~学校(東京音大)で陰性確認していると思います。
じゃあなぜマスクして歌ったの?
 ~飛沫が…
え!ステージにコロナの飛沫が飛んでる?
 ~いえ、そうではなく…

要するに答えられない。
そして過剰防御が音楽を損ねている。

指揮者もよくこれを受け入れたものだ。

舞台に立つ者の陰性確認を断固やるべし。
そして制約なしにのびのびと音楽をやってくれ!

合唱団のマスクを別にすれば、オケと独唱の演奏は素晴らしいものだった。
終楽章の音楽造りは僕の趣味とは異なったけど、これはこれで楽しめた。

評点80点!

♪2020-095/♪みなとみらいホール-29

備考:
弦の編成:10-8-6-4-2
合唱:女声26/男声22