2021年9月18日土曜日

名曲全集第169回 原田慶太楼が誘う、ヴォーン・ウィリアムズ

 2021-09-18 @ミューザ川崎シンフォニーホール


原田慶太楼:指揮
東京交響楽団
東響コーラス*

ソプラノ:小林沙羅*
バリトン:大西宇宙*

ヴォーン・ウィリアムズ:グリーンスリーヴスによる幻想曲
ヴォーン・ウィリアムズ(ジェイコブ編):イギリス民謡組曲
ヴォーン・ウィリアムズ:海の交響曲*

「海の交響曲」は大編成を必要とする為かなかなか生では聴けない。僕の記憶では05年に秋山・東響で聴いて以来だ。


今日の弦は16型。

独唱2人に合唱が約80人(一部交代で+40人)という大所帯だった。

不満は後で書くとしてまずは見事な演奏だった。

目下のところ今年最大のイベントだ。


前座の同じヴォーン・ウィリアムズの「グリーンスリーヴスによる幻想曲」と「イギリス民謡組曲」は大好きな曲だ。

特に後者は題名どおり郷愁を唆る英国民謡の旋律が心地よい。

明治時代に英国から輸入した「蛍の光」や「故郷の空」等の5音音階を中心とする旋律が日本人のDNAに染み込んでいるのかもしれない。


ただ、1-2曲目を続けて演奏したので2-1が1の終曲と勘違いした人が多く、あちこちで拍手が起こったが、「イギリス民謡組曲」も吹奏楽経験者を別とすれば一般には馴染みの少ない曲だからやむを得ない。


メインディッシュの「海の交響曲」の出来の良さには驚いた。

冒頭のオケと合唱の強奏で気持ちを持ってゆかれ、そのまま、最後まで緊張感が続いた。


この長大な歌詞を途中交代とはいえ、暗譜で歌い切った東響コーラスが最大の功績。独唱2人もよく響いた。

東響もノーミス(?)でお見事。

もちろん慶太楼氏のタクトも良かったので、この大曲を仕上げる過程で指揮者・オケ両者の信頼関係がますます深まったろう。同慶の至りだ。


不満は、相変わらずのマスク!

指揮・独唱・コンマス・管以外…つまり弦と打の全員がマスク。合唱もマスク。マスクだらけだ。さらに、その為か、合唱は生ではなく電気増幅を使った。これがもう残念無念。40人もいるのだから拡声する必要はなかったのではないか。マスクも必要性が分からない!


♪2021-099/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-31