2021年9月14日火曜日

横浜18区コンサート 第Ⅰ期 萩原麻未Pf × 横浜シンフォニエッタメンバー(弦楽五重奏)

2021-09-14 @フィリアホール



横浜シンフォニエッタメンバー(弦楽五重奏)*
バイオリン:遠藤香奈子、大澤愛衣子
ビオラ:伴野剛
チェロ: 朝吹元
コントラバス:倉持敦

萩原麻未:ピアノ**

モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク(弦楽五重奏版)*
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番二短調 K466(弦楽五重奏伴奏版)**
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J.S.バッハ(グノー編):アヴェ・マリア


恒例、横浜18区コンサート(市内全区の区民文化センターや公会堂などで開催されるクラシック・室内楽演奏会)の2021年の開幕は萩原麻未のピアノと横浜シンフォニエッタ・メンバーによる弦楽五重奏団の組合せ。

僅か5人の弦楽合奏版アイネクライネ・ナハトムジークが先ずは面白い。

何しろ、室内楽はかぶり付き(で聴く)と決めているので、残響の届く前に原音がそれをかき消すという?誠にリアルな、ガリガリ叫ぶ弦の音が堪らない。

都響の第2バイオリン首席の遠藤ちゃんの隠れファンであるが、今日は第1バイオリンでグリグリと引っ張っていた。

メインディッシュがモーツァルト・ピアノ協奏曲第20番。
これを聴くとパヴロフの犬のように映画「アマデウス」を思い出す。

萩原麻未は、これまでもオケ定期等でピアノ・コンチェルトを数回経験済みだが、間近に室内楽伴奏で聴くのは初めてで、繊細な息遣いとダイナミックレンジの広さ、Pfの音の抜ける輝きが素晴らしい。

同じ場所で10日程前に聴いたピアノ・トリオは、鈴木秀美のチェロがガット弦という中途半端な古楽アプローチに不満が残ったが、今日の5人の弦は当然モダン・アプローチなのでフルコンPfの音にも埋もれることなく、両者の丁々発止のやりとりが楽しめた。

ところで、明治の先人達は、急速な西洋文明の輸入に当たって、多くの学術用語などに名日本語訳を残しているが(文化・思想・哲学・理性・感性・共和・人民〜)、中でもmusica や musikを「音を楽しむ」としたのは実に名訳だと思う。
「音楽」は「音」こそ生命なのに、アマチュアリズムの現状は余計な《高邁な解釈》で水膨れにしているのではないか。

♪2021-096/♪フィリアホール-04