2024-06-04 @新国立劇場
【指揮】飯森範親
【演出】ダミアーノ・ミキエレット
【美術/衣裳】パオロ・ファンティン
【照明】アレッサンドロ・カルレッティ
【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
フィオルディリージ⇒セレーナ・ガンベローニ
ドラベッラ⇒ダニエラ・ピーニ
デスピーナ⇒九嶋香奈枝
フェルランド⇒ホエル・プリエト
グリエルモ⇒大西宇宙
ドン・アルフォンソ⇒フィリッポ・モラーチェ
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト:
歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」
全2幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉
予定上演時間:約3時間30分
第Ⅰ幕
90分
--休憩30分--
第Ⅱ幕
90分
「コジ〜」を初めて観たのは40年以上前。それが初めての日生劇場オペラだった。つまらなかった。
以後、何度も観ているしビデオも数種類あるが、ほぼすべて話に腑に落ちない。どんなに演出に工夫をしても台本を変えられない以上、話が腑に落ちるはずがない。
とはいえ、実は、過去に観た中で一番腑に落ちそうなのが新国立劇場の2011年以降今回に至る演出だ。2013年から観たのだけど、11年も前の舞台を細部まで覚えていないけど基本的に同じに再現されていたと思う。
D.ミキエレットの演出だけは、やや腑に落ちるというのは、結末が、そりゃそうでしょう、そうでなくちゃ、という気にさせるから。
つまり、圧倒的多数の演出が、最後強引にめでたしめでたしで終わらせるのに対して、この演出では、4人の男女が気持ちを収めることができずバラバラに舞台をさってゆくのだ。
同じ台本を使いながらよくまあ、こんな始末の付け方が不自然さもなくできたものだと感心するが、人間ドラマとしては当然だ。
設定は、本来の18世紀のナポリから現代のキャンプ場に変更された。
それで大きな破綻はなかったものの、なぜわざわざ設定を変える必要があったかは見えてこなかった。
今回は、歌手陣が良かった。
特に大西くんと九嶋ちゃんの大健闘が素晴らしい。海外勢以上の魅力・迫力だ。
13年の公演では姉妹2人が傑出していたと記憶しているが、今回はちょっと地味だったな。
おかげで、久しぶりにモーツァルトの才能をとことん味わった気がする。なんて素晴らしいオペラだ。
しかし、演出には工夫が必要。
今後も万事めでたしなんてやっていたら、いずれ女権拡張活動家に上演禁止を求められると思うよ。
♪2024-077/♪新国立劇場-08