2024年5月30日木曜日

東京都交響楽団 第999回 定期演奏会Aシリーズ(井上道義:都響最後の演奏会)

2024-05-30 @東京文化会館



井上道義:指揮
東京都交響楽団

ベートーべン:交響曲第6番ヘ長調 op.68「田園」
ショスタコーヴィチ:交響曲第6番ロ短調 op.54




ミッキーが都響を振る最後のコンサートだった。
ベト・タコ6番で有終の美を飾ったのは何故か分からない。

田園についてはミッキーらしい仕掛けもあって大いに楽しめた。
開演前に、田園については演出上客電を暗くするという注意があった。すると4楽章では客席と舞台にレーザー光線で雷鳴を光らせるのか、と思ったが、何にもなくて、何で暗くしたのか分からない。むしろ暗い客席との因果関係は分からないが楽章間の咳払いの賑やかなのには驚いた。

驚いたと言えば、第3楽章に入る時、上手の袖から管打の6人が入場し、何か変わったことでもやるのかと思ったら、普通に演奏をした。何だよ、この演出。
要するに、3楽章からしか出番のない6人が、途中入場しただけだよ。どういう意味があったのか分からない。
でも、Tp2、Tb2、Pic、Tympは3楽章まで出番がない。
Tbについては4楽章まで出番がない、ということがよく分かった。それは、まあ、勉強になったかな。

意表を突き、かつ、効果的だったのは、弦の編成を極小にしたことだ。「運命」でも16型でやる都響が、ミッキー版「田園」では8型なのだ(8-6-4-4-2)。まるで室内アンサンブルのような弦の響は、透明感があり、シャキシャキと明瞭で、あゝこういう「田園」を聴きたかった!と思い起こさせて、実に好感を持った。

もちろん、8型で前半6番をやったなら、当然後半の6番は16型で驚かすのだろうと思ったが、果たしてそのとおりだった。

過去数回しか聴いたことがないタコ6番(直近では18年秋の都響)。ほぼ初聴きに等しい。30分強のコンパクトな作品だし、それなりに楽しめたけど、先日のN響ニールセン2番を思い出して、ニールセンの方がずっと楽しめたと思った。第一、演奏力がだいぶ違った。
いつも思うが、16型にすればリスクも増える。前半のざわざわとまとまりの悪いアンサンブルは田園の透明感に比べたら話にならない。ただ、後半は大編成が生きてきて、終わりよければすべてよし。

カーテンコールはサービス精神旺盛なミッキーショウで大いに盛り上がった。

♪2024-076/♪東京文化会館-05