指揮:ローラント・ベーア
演出:ウィリアム・ケントリッジ
美術:ウィリアム・ケントリッジ、ザビーネ・トイニッセン
衣裳:グレタ・ゴアリス
照明:ジェニファー・ティプトン
合唱⇒新国立劇場合唱団
管弦楽⇒東京フィルハーモニー交響楽団
ザラストロ⇒サヴァ・ヴェミッチ
タミーノ⇒スティーヴ・ダヴィスリム
夜の女王⇒安井陽子
パミーナ⇒林正子
パパゲーノ⇒アンドレ・シュエン
パパゲーナ⇒九嶋香奈枝
モノスタトス⇒升島唯博
弁者・僧侶I・武士II⇒成田眞
僧侶II・武士I⇒秋谷直之
ほか
モーツァルト:「魔笛」全2幕〈ドイツ語上演/字幕付〉
予定上演時間:約3時間
第Ⅰ幕70分
--休憩25分--
第Ⅱ幕85分
<新制作>とあるが、新国立劇場で過去6季継続上演してきた版を改めたからだろう。今回のケントリッジ版は既に2005年から世界各地で上演されてきたもので、装置・衣装ごと権利を買上げたというから、この先当分はこの演出による上演が続くだろう。でないと元が取れないもの。
ケントリッジは現代美術家としてむしろ有名らしい(僕は知らなかったが)。それで演出だけでなく舞台美術も担当している。
今日、開演前に紗幕越しの舞台を見て、どうも見たことがあるなと思って、帰宅後何本もある「魔笛」のビデオをチェックしたら、2011年3月のミラノ・スカラ座の録画がこの舞台美術と演出で、おまけに指揮者まで同じローランド・ベーアだった。
さて、音楽はよろしい。演奏も素敵だ。夜の女王とパミーナは交代した方がいいのではないかと思ったりもしたが、不満というほどのものではない。
問題は、今回売り物の<演出と美術>だ。納得できない。
「魔笛」はメルヘンでファンタジーであってほしいが、この演出では舞台装置は無いも同然。そこにモノクロの線画映像がプロジェクターで投影されることで場面変化をつけているのだが、いかんせん黒が基調で舞台は常に暗い。
また、演出ノートを読むとアパルトヘイトを念頭に置いているような説明があったり、映像のそこここにフリーメイソンを暗示したり、小難しい事が書いてあって辟易だ。
そこで何種類もあるビデオの中から、お気に入りのMETのメルヘン&ファンタジー版(ジュリー・テイモア演出)を見直して口直ししたよ。
♪2018-076/♪新国立劇場-11