2023-12-23 @みなとみらいホール
園田隆一郎:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
合唱:神奈川ハーモニック・クワイア
ソプラノ:迫田美帆
メゾ・ソプラノ:福原寿美枝
テノール:澤崎一了
バリトン:青山貴
ウェーバー:歌劇「オベロン」から序曲
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125
「ドイツレクイエム」を唯一の例外として、ほぼイタリアオペラしか聴いたことがない園田ちゃんがベートーベンを、それも「第九」をやるということ自体がビックリで興味深かったが、蓋を開けたら、しっかりベートーベンだ。それも実に小気味の良い「第九」に仕上がっていた。
一つは弦12型ということもあるが、コンパクトでまとまりが良い。特に終楽章の音楽作りには刮目すべきものがあった。昨日の下野節とは全然異なるアプローチで、処々、タメを利かす場面はあったが、全体としてはほぼイン・テンポで駆け抜けた。
全曲の演奏時間は今年の「第九」7回目にして最短。楽章間休止も入れて64分。因みに最長はコバケン日フィルの72分。
低弦のレシタもオペラぽく歌わせるのかと思ったら、いかにもドイツ風で、引っ張り回すことなく軽やかだった。
終楽章は、本来、歌の意味からしても重苦しくなく、あまり荘厳にもならず、明るく突き抜けてほしいと思っていたが、今日の園田節は正に軽快に歌い抜けた。
コンマスはこの頃珍しい組長が就いた。
その弦も組長好みの繊細で美しい響だった。
管打も全く不満なし。
特にHrは4人がそれぞれに良い仕事をした。特に首席の坂東ちゃんの見事なこと!
読響より、N響より冴え渡っていたよ。
合唱団の規模があまりに小さかった(20+20)ので、怖いような音圧の壁は感じられなかったが、さりとて不足とも思わなかった。軽快な終楽章の為にはこの編成には意味があったのだろう。
今日の独唱陣はP席最前列だが客席との間に遮るものもなく、実に明瞭。これでなくちゃ。
やはりNHKホールのように奥行きが深い(その上背後に百人の合唱団)場合は舞台最前列に出るべきだよ。
これで「第九」7回目。
総合点としてN響をあっさり超えて読響と同点1位かな。
ほんに爽快な「第九」を聴いた。
♪2023-225/♪みなとみらいホール-50