2023-12-15 @みなとみらいホール
佐渡裕:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
合唱:栗友会合唱団
ソプラノ:高野百合絵
メゾ・ソプラノ:清水華澄
テノール:笛田博昭
バリトン:平野和
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125
9日の秋山「第九」の出来は例年より満足度が低かったが、今日の新日フィルを聴きながら、やっぱり秋山「第九」は良かったなあと思った。
昨年も、佐渡+新日フィル@みなとみらいHで聴いたが、その時は<とても良かった>のに、今回は<とても悪い>。
楽器の音、特に弦は明瞭に聴こえる。時に美しい透明感を備えていたが、迫力に欠けた。
編成の規模の問題ではない(秋山「第九」は弦12型計44人に対して新日フィルは14型51人)。特に低弦はスカスカで、抑えすぎたのではないか。
Vc最高の出番である終楽章低弦のレシタも弱く、初めて歓喜のテーマが登場するところではCbの方が強めに聴こえたので、音程がはっきりせず旋律が浮かび上がらなかった。
HrもTbも聴かせどころが不発に終わった。失敗はしなかったが朗々と歌わないのが欲求不満。
何より、佐渡さんの音楽作りが、秋山御大を聴いた後では、薄っぺらく思えて仕方がなかったな。昨年はどんな耳で聴いていたのだろう。
声楽は概ね良し。
笛田くん、声デカすぎ!
四重唱が独唱+三重唱みたいだったぞ。
合唱はP席を使わず全員舞台後方だったが、百名余で秋山「第九」よりほんの少し少ない程度。こちらは迫力があって、オケに埋もれるどころか、オケが合唱に埋もれるような場面も。
暫時、佐渡氏の音楽は要観察としよう。