2023-12-03 @ミューザ川崎シンフォニーホール
指揮:
桐朋学園オーケストラ/尾高忠明
洗足学園音楽大学管弦楽団/秋山和慶
桐朋/ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調 作品27
洗足/ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ニ短調 作品47
アマオケをプロオケのように響かせる魔法の箱ミューザが、今日は響が硬かった。
前半の桐朋を聴いて、”実力”しか発揮できない桐朋オケの”実力”を聴いてがっかりした。
音は濁っている、弦高域の不快な軋みも聴こえる。終始ザワザワして透明感がなく、アンサンブルの妙味などどこにもない。本来、極めて情緒的で美しいはずの第3楽章も乾いて潤いがない。ま、終楽章が元気に終えられてまあ良かったが。
ホールの響の助けがなければやはり音大オケといえどもこの程度か、とがっかりした。
桐朋は弦16型だったが洗足は14型。このサイズの違いはあまり関係なかったと思う。弦がそれなりに美しいし、管打鍵も実力発揮。ちゃんとアンサンブルが成立している。秋山御大の求心力に向かって音楽が収斂してゆく。
これまで、音大フェスはかなりの確率で聴いているので各音大オケを何度かずつ聴いており、その実力に有意差があるとは感じてこなかったが、これはどうした?
おそらく、一つは桐朋の選曲ミス。
ラフマニノフの2番て、聴いていても合奏力を要する音楽だと思う。緊張感を維持するのが難しそうだ。
もう一つは、リハーサルが十分ではなかったのではないか。
「♪〜稽古不足を、幕は待たない」で本番を迎えてしまったな…と思ったよ。