2023-12-22 @NHKホール
下野竜也:指揮
NHK交響楽団
新国立劇場合唱団
ソプラノ : 中村恵理
メゾ・ソプラノ : 脇園彩
テノール : 村上公太
バス : 河野鉄平
バーバー:弦楽のためのアダージョ(管弦楽版)
ベートーべン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125
今年から方針を変えてN響「第九」をサントリーホールからNHKホールに変更した。NHKホールで聴くのは7年ぶり。
その7年前はブロム翁の指揮で、まさに「神は細部に宿る」を実感した。
下野ちゃんのN響正指揮者就任後初の共演が「第九」とは結構プレッシャーだったようだが、これは誠に見事なスタートを切ったのではないか。
N響という名人を揃えた職人集団ならではの安定して風格のある「第九」だった。
1-3楽章までは、聴き慣れた音楽で、特段、下野色は感じなかったが、終楽章は相当手を入れたのではないか。テンポの変化はかなり大胆だった。それで違和感があったという訳ではなく、ひょっとしたら、これまで他の指揮者の演奏では聴き逃してきた変化なのかもしれない。年内に残る4回の「第九」でよく聴き耳を立ててみよう。
残念なのは、あまり響かなかったことだ。
もとより良く鳴る箱とは言えないが、そのデッドな響もまた良しと思っている。
しかし、過去5回がミューザ1回、みなとみらいH4回と響の良いホールで聴いてきたので、その比較において物足りない。
せめて独唱陣を舞台最前列に置けば印象が変わったと思うが。
♪2023-224/♪NHKホール-10