2018年7月29日日曜日

フェスタサマーミューザ2018 東京シティ・フィルハーモニー管弦楽団 ≪正統派ドイツ音楽Ⅱ≫

2018-07-29 @ミューザ川崎シンフォニーホール


高関健:指揮
東京シティ・フィルハーモニー管弦楽団

シュテファン・ヴラダー:ピアノ*

ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲 
ベートーベン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 作品73 「皇帝」*
ブラームス:交響曲第4番ホ短調 作品98
-------------------
リスト:コンソレーション(慰め)第3番変ニ長調*
ブラームス:ハンガリー舞曲第1番

東京シティ・フィルハーモニー管弦楽団を聴くのは、ピットに入っている場合を除けば年に1回、このフェスタサマーミューザに於いてのみ。
過去の記録を読み返すと、いずれもあまり良いことを書いてない。
高関健の指揮ぶりは「第九」を除いてどちらかというと好感を持っている。「第九」は2度聴いたが、2度とも3楽章の後に声楽ソリストを入れるので緊張が途切れる。2度ともそうだったのは、指揮者の指示によるからだろう。この演奏の仕方が僕は好きじゃない。3楽章が終われば間髪入れず4楽章に入ってほしい。…とまあ、これは今日のコンサートとなんの関係もないし、この「第九」の演奏というか演出というか、それ以外の指揮ぶりは嫌いじゃない。現に先月の神奈川フィルのベートーベン特集は見事なアンサンブルを引き出していた。

が、高関健が常任指揮者を務める、まさにホーム・オケである東京シティ・フィルを振ったときは、あまり良い印象が残っていない。てことはやはりオケがまだ発展途上なのかもしれない。

「魔弾の射手」では弦(の編成は本日全曲14型でコンバス7本)はいい感じで出たのだけど、肝心のホルンの重奏で躓いた。その後も、どうもアンサンブルがしっくり来ない。雑な感じだ。

皇帝でもピアノは悪くなかったが、管・弦・ピアノがどうも別々の方向を向いているような気がした。

メインのブラームス第4番。冒頭の弦が、波のようにうねりながら寄せてくるロマンが足らない。事務的で即物的な印象を受けた。ここはいくら禁欲家のブラームスだって情緒を訴えたいところだろう。その後も全体としてアンサンブルが噛み合わず、感情移入できない。
特に第3楽章のトライアングルには参った。音が悪い。楽器のせいか、打ち方の問題か分からないけど、ものすごく違和感があって、全体の音楽を壊してしまった。

このトライアングルはアンコールのハンガリー舞曲第1番でも大活躍するのだけど、響が悪いので、むしろ全休止してくれた方が良かった。この楽器はもっと良いものに変えてほしいよ。たかがトライアングルと思うなかれ。

♪2018-091/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-08