2018年7月26日木曜日

神奈川フィルの名手による室内楽シリーズ《名曲の午後》第10回 「弦楽合奏によるシューベルトの『ロザムンデ』」

2018-07-26 @フィリアホール


ピアノ五重奏
 崎谷直人:Vn1・コンサートマスター
 小宮直:Vn2
 大島亮:Vl
 山本裕康:Vc 
 草冬香:Pf

神奈川フィルのメンバーによる弦楽アンサンブル*

シューマン:ピアノ五重奏曲変ホ長調op.44
シューベルト:弦楽四重奏曲第13番イ短調D804「ロザムンデ」(大橋晃一編曲:弦楽アンサンブル版)*
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J.S.バッハ:「マタイ受難曲」からコラール(弦楽アンサンブル版)*

神奈川フィル弦首席級による室内楽。
まずはシューマン唯一のピアノ五重奏曲。
彼の室内楽作品中一番好きな作品。
シューマン夫妻の短いが幸福な日々に完成されたせいか、堂々として陽性だ。

響の良いフィリアでピアノは埋もれがちだが、弦の少しかすれた原音が心地良い。

2曲めは、シューベルトの弦楽四重奏13番「ロザムンデ」を弦5部12人(4-3-2-2-1)の編成で(ピアノ五重奏団からピアノがなくなり、弦5部が8人加わった。)。

これはもう歌心満載で、冒頭の第2バイオリン以下の刻むリズムに乗って第1バイオリンがメランコリーな旋律を歌い出すとそこでもう気持ちが乗り移ってしまう。

どの楽章も美しいが、第3楽章も「ロザムンデ」というタイトルの所以である劇音楽「ロザムンデ」間奏曲第3番のメロディーを主題にしていて既に十分親しんでいる旋律だ。

十分親しんでいる理由は、「ロザムンデ」間奏曲として聴くこともあるからではなく、たぶんピアノのための4つの即興曲の第3曲(D935-3 Bb)の主題も「ロザムンデ」の旋律なので、こちらの方に馴染んでいるからだろう。

ま、馴染んでなくとも、これらの旋律はスーッと心のうちに入り込み口ずさみたくなるような親しみやすさがある。

有名な14番「死と乙女」の陰に隠れがちで、なかなか聴く機会がなかった。
14番はこれまでにも何度も聴いたしこれからも聴く機会は多いだろう。今日、ナマで…変則編成だが…13番を聴けたのは幸運だった。

♪2018-090/♪フィリアホール-02