2018-07-03 @日生劇場
指揮:ジュゼッペ・サッバティーニ
演出:岩田達宗
管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
合唱:藤原歌劇団合唱部
ドン・ジョヴァンニ:ニコラ・ウリヴィエーリ
ドンナ・アンナ:坂口裕子
ドンナ・エルヴィーラ:佐藤康子
ドン・オッターヴィオ:中井亮一
騎士長:東原貞彦
レポレッロ:田中大揮
ツェルリーナ:梅津貴子(配役表には「ゼルリーナ」と表記)
マゼット:大塚雄太
モーツァルト作曲 オペラ『. 魔笛』全2幕
(ドイツ語歌唱・日本語台詞・日本語字幕付)
予定上演時間:約3時間15分
第Ⅰ幕 90分
--休憩20分--
第Ⅱ幕 85分
今年のNISSAY OPERAはモーツァルトを4本やるというので、セット券を早割で買った。その、もう第2弾だ。
モーツァルトのオペラは、すべてを承知している訳ではないけど、大抵は、人気があり、有名なものだから、上演機会も多く、この相乗効果のおかげで結果的に耳馴染みなものが多い。
しかし、世間で人気があるほど面白いのか、といえば、そこは疑問で、どうもドラマとして観る時にスッキリとカタルシスが得られない。それでも、上述のように耳に馴染んだ音楽の力がある。
ほぼ、何の抵抗もなく、耳に入ってくるし、むしろ心地良い。
それがモーツァルトのオペラを味わう秘訣だと心得ることにしている。
ドン・ジョヴァンニは稀代の女たらしだ。その目的を達する過程で、人殺しまでやってしまう。
ついにはバチが当たって、地獄へ落ちるという話だが、そんな軽〜い話でいいのか、と思ってしまう。
ドン・ジョヴァンニはさも、悪党のようでもあるけど、モノにした2,000人を超える女性(スペインだけで1,003人と歌われる。)の全員がどんな気持ちで口説かれたのかは分からないけど、少なくとも全2幕の芝居で登場する女性3人(ドンナ・アンナ、ドンナ・エルヴィーラ、ツェルリーナ)は、満更でもない様子だ。
すると、ドン・ジョヴァンニの<地獄堕ち>の後に、ノーテンキに「悪は滅びる」という6重唱を明るく歌っていいものか。尤も、モーツァルトは<地獄落ち>で一旦は完結させたが、その後手を入れてこのお説教めいた幕切れにしたそうだ。
深遠な哲学が貫かれているのか、軽佻浮薄なだけなのか、音楽自体の素晴らしさ・楽しさを別にして、物語としての「ドン・ジョヴァンニ」は分かりにくい。
♪2018-079/♪日生劇場-02