2022-12-24 @厚木市文化会館
神奈川フィルハーモニー交響楽団
プロ歌手による神奈川フィル合唱団
砂川涼子(ソプラノ)
八木寿子(メゾソプラノ)
笛田博昭(テノール)
青山貴(バリトン)
ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲
ベートーべン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125
独唱陣も異なって、
砂川涼子❤️Sp
八木寿子Ms
笛田博昭Tn
青山貴Brだ。
これは聴かねばなるまいと、遠路厚木まで出かけた。
厚木市は人口22.4万人。財政力指数県内1、関東で5位という豊かな街だそうな。さぞや立派な文化会館かと思いきや小都市にどこにでもあるような多目的のフツーの造作だった。
が、キャパ1400のこじんまりしたホールは残響は少なめだが明るい軽やかな響きだった。
弦は10型(低域12型風)は昨年同様。
合唱は男女とも14人の計28人。
今年12回聴く「第九」の中で、あと4回を残すものの、オケ・合唱とも最小規模だろう。
そのコンパクトなオケを纏めたコンマスは日フィルの千葉清加の客演だ。17日の日フィル「第九」@みなとみらいでは次席に座っていた。
コンマスとしての仕事ぶりを見るのは初めてだったかもしれないが、やはりボウイングや上半身の使い方が違う。よく、リードしていたと思う。
沼さんの「第九」を聴くのは初めて…だと思うが、こちらも正統派。ケレンはつゆほどもないが、だから面白くないのではなく、安心して聴ける。
10型の編成はキビキビし、弦の透明感も確保できている。もう少し弦を増やしたら厚みが出るけどその分濁りが出る心配がある。今日は、これで良かったと思う。
ホルンのソロも安定して、とくに3楽章の4番ホルンのソロも見事に決まった。
不安だったのは、声楽陣の着座だ。
通常は冒頭から。または3楽章の前に入場着座する。
しかし、今日は2楽章が終わっても入ってこない。
そして3楽章が始まった。
てことは4楽章の前に入るのか?
ところが3楽章が終わると間髪を容れず4楽章に突入。
あれれ。
さらに低弦のレシタが始まり、歓喜の旋律が始まっても声楽陣は入ってこない!
歓喜の歌が、オケのTuttiで盛り上がったその時、合唱も独唱も入場した。確かに人数が少なく短時間で並び、大音量だから足音もかき消されてしまうのだ。
実は、神フィルには前科があり、少なくとも19-20年も同様のスリルを味わったことを思い出した。
まあ、無駄のない演出とも言える。
ともかく、演奏は見事だった。
会場の大きさや響のタイプの違いを考えてこういう編成にしたのかどうか分からないが、オケの編成は大きければいいというものではない。コンパクトの良さを活かした、快活な演奏が実に心地よし。
演奏好感度★95点
♪2022-203/♪厚木市文化会館大ホール-01