2022-12-26 @サントリーホール
東京都交響楽団
二期会合唱団
ソプラノ:隠岐彩夏
メゾソプラノ:加納悦子
テノール:村上公太
バス:妻屋秀和
ベートーべン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125
●弦編成が16型(都響はワケ*あって協奏曲でもない限り大抵16型。「運命」でも16型でやるオケだから今更驚きもしないが、他のオケは10型-1、12型-8で、14型さえ0だった)。
合唱は66名とこじんまりしているのに?
その結果、分厚いが第1バイオリン-第2バイオリン-ビオラの弾き分け(旋律のやり取り等)が不明瞭に。
●テンポが速い。
今季10オケで、
第1楽章が15分を切ったのは初めて。因みに遅い代表は秋山「第九」で16分34秒。
第2楽章も速い方で、10オケの最速三ツ橋神フィル-太田日フィルの10分02秒-同05秒に次ぐ10分14秒。
第3楽章も14分切りで他のオケ平均よりは速い。
第4楽章は10オケ中最速23分10秒。
テンポの速さは、1-2楽章等そもそも速い楽章では小気味良さの一方で、大世帯の弦の先頭集団に後方集団がズルズルと引っ張られ、ナノ秒単位で遅れるような場面も。
3楽章は極端に速い訳ではなく歌心あるテンポでこれは全く違和感を感じなかった。
●声楽陣は2楽章の後に入場。
P席3列目以降、全体に市松配置。
そのP席の中央第2列に独唱陣。
何故かこの声楽の入場に時間をかけた。
インバルはこの時間袖に引っ込んだ。こんなの見た事ないよ。トイレにでも行ったのか?あ、冗談です。
その休止は結局3分半に及ぶ。
普通の入場なら90秒程度だ。
その長くかかった時間を入れても、最初にタクトを降ろしてから終曲迄が65分47秒。
10オケ中最速「第九」だ。
●声楽について。
合唱は、コロナ不安もあってか、昔に比べると随分こじんまりとしてきた。今回の都響=二期会は中規模だった。目下39名というのが最小規模(神奈川フィル@ミューザ)だが、その規模でさえ、不足は感じなかったし、もちろん今日の二期会にも不満はない。
しかし、独唱がP席で歌うのは初めてだった。
これまで、P席を有するホールの場合、合唱は全員又は半分程度がP席に着座するが、その場合であっても独唱者は舞台後方(合唱が舞台上にも展開する場合は当然その前か、合唱に挟まれる形)で歌った。
P席で歌うとどうなるか?
反響版がないから声が届きにくいのだ。
僕は、席の好みにこだわりがあって、常に1F真ん中の真ん中(の周辺)で聴く。だから、今日の独唱も十分聴こえたが、遠くの席にはどうだろう?
だから多くのオケでは多少狭くとも独唱は舞台の反響板を背中にして歌う。
まとめ:今日の都響は、16型の大編成の弦で厚ぼったく、しかし見栄え十分。一方、テンポの良さで、重々しくもならず、分かり易く、年末を飾る派手なイベントとしては上出来だったかも。
演奏好感度★80点
*ワケは知らないけど、きっとワケがある。イロイロ想像しているけど。
♪2022-205/♪サントリーホール-23