2022-02-28 @東京文化会館
大野和士:指揮
東京都交響楽団
小林愛実:ピアノ*
東京都交響楽団
小林愛実:ピアノ*
ベートーベン:ピアノ協奏曲第4番ト長調 op.58
ショスタコーヴィチ:交響曲第10番ホ短調 op.93
----アンコール-----------------------
ショパン:24の前奏曲 op.28-4 ホ短調 Largo*
ショパンコンクール、ファイナリストと4位の違いか。
確実に以前とは一皮剥けていた。
自信に満ちて、それでいて丁寧に音楽に寄り添って、ベートーベンがもし聴いていたら、頭に雷が落ちたように驚いたのではないか。俺はこんな美しい曲を書いたのか⁉︎と。
弱音の早いパッセージも正確で美しい。ま、その位プロなら当たり前だろうけど、コロコロ転がりながら音楽の生成を感じた。
オケとピアノの「音楽」の受渡しが絶妙!
以前は、演奏中の感情・表情過多が気になったが、今日は、作品故かもしれないが、入魂しながらもほぼ無表情で通した。
協奏する「音楽」の面白さを十分に見せ・聴かせてくれた。
都響のサポートがこれまたイツニナク見事。大野の求心力の大きさもあったのだろう。
アンコールは当然ショパン。
前奏曲集からホ短調を選んだのは無論、偶然であって、後半のショスタコ10番ホ短調を意識していた訳じゃあるまい。
とにかく、お見事。
ただ、音楽を”聴く”というより”体験する”という滅多に得られない至福の時間を文化会館ではなく音楽堂で過ごしたかったなあと聴きながらずっと思っていた。文化会館大ホールでは今日のレベルが限度だろう。ピアノの音の美しさはこんなものではないもの。
後半のショスタコーヴィチ交響曲第10番。
弦は前半の14型から都響”得意?”の16型へ。
管弦楽技法の違いが如実に演奏にも表れ、1楽章は苦戦。
2楽章以降持ち直した…というか、高域弦の出番が少なくなったから瑕疵が目立たなかった。
3楽章以降はまとまったが格別の感興得られず。
編成を大きくするのはリスクを伴う。
16型が活かせるかそこが問題だ。