ジャン・チャクムル:ピアノ
D.スカルラッティ:ソナタから
K208 & K209 イ長調
k64 & K517 ニ短調
ドメネク:「ピアノのための短編小説」から
第4曲 ”かくれんぼ”
シューベルト(リスト編):白鳥の歌
「愛の使い」
「兵士の予感」
「君の肖像」
「春の憧れ」
「別れ」
「遠国にて」
「セレナーデ」
「アトラス」
「漁師の娘」
「海辺にて」
「住処」
「街」
「影法師」
「鳩の便り」
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ベートーベン(リスト編):「遥かなる恋人」から”この歌を受け取って”
2018年の浜松国際ピアノコンクールを制したジャン・チャクムルは初めて聴いた。カマキリみたいに痩身で手も脚も長いこと。大甘マスクで終演後はサイン会に長い行列。
メインはシューベルトの歌曲集「白鳥の歌」のリストによるピアノ独奏曲版。
リスト版自体が原曲とは順番が違うそうだが、今日の演奏はリストとも原曲とも異なったが、大筋では原曲に沿っていた。
このクラスになると演奏技術の巧拙は分からないが、真摯な態度でとても好感を持った。
曲解説を自らかなり細かく書いていて(訳文が悪かった。)、チャクムルのこの作品にかける思いが一層伝わった。
シューベルトの3大歌曲集では「冬の旅」が一番好き。次いで「美しき水車小屋の娘」なので「白鳥の歌」は聴く機会が少なかったが、今日改めてピアノ版を聴いてみると歌詞がなくともしみじみと感動した。
最後の2曲はシューベルトの順に沿って、壮絶な「影法師」〜明るく愛と希望を歌う「鳩の使い」で締めくくった。
この「鳩の使い」は病床にあったシューベルトの文字どおりの「白鳥の歌」である。それを知って聴くとむしろその明るさに胸を締め付けられた。