2017年8月9日水曜日

フェスタサマーミューザ2017 日本フィルハーモニー交響楽団 ≪コバケンの幻奏 - 夢・情熱≫

2017-08-09 @ミューザ川崎シンフォニーホール


小林研一郎:指揮
小林美樹:バイオリン*
日本フィルハーモニー交響楽団

ドビュッシー:
 小組曲〜1小舟にて、2行列、3メヌエット、4バレエ
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ*
マスネ:タイスの瞑想曲*
ベルリオーズ:幻想交響曲 作品14
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アンコール
クライスラー:レシタティーヴォとスケルツォから"スケルツォ"*
マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」から間奏曲

オールフランスものだった(アンコールを除く。)。
冒頭はオーケストラのみによるドビュッシーの「小組曲」。
元々はピアノ連弾曲を友人のビュッセルが管弦楽に編曲した。
これは原曲も今日と同じ管弦楽版も聴いたことがあったが、全4曲の第3曲目を聴くまで思い出せなかった。20歳代の作品なので、「牧神の午後への前奏曲」を機能和声を使って作曲したような音楽で、フランス音楽というよりドイツ音楽ぽく感じたが、ところどころに5音音階らしきフレーズも出てきて、その後のドビュッシーの作品を彷彿とさせる。

続いて、小林美樹と管弦楽によるサン=サーンスとマスネの有名曲。
バイオリン独奏者を迎えても協奏曲ではなくバイオリンが主体の管弦楽小品を聴かせるというのは、過去にもコバケン+日フィルで経験しているので、これはマエストロの好みなのかも。
2曲とも非常に美しいメロディーでこれはこれで楽しめた。

小林美樹を初めて聴いたのは2014年の3月、若手ソリストと指揮者による神奈川フィルとの共演だったが、あれから3年半で、容貌がすっかり大人びて美人になった。腕前の方は、上達しているのだろうけど、元々ヴィエニアフスキーコンクール2位という実力者だ。素人耳では分かるはずもなかろう。とてもメリハリのついた安定感のある音楽だった。

メインが「幻想交響曲」。100人近い特大オーケストラ。
何度もナマを聴いているが、その都度、聴きどころならぬ見どころを忘れてしまっているので、聴く度というか舞台を見る度に発見があって新鮮とも言えるが、ティムパニー2組を4人で演奏する箇所があったんだ。バスドラムも2台同時に、バスチューバも2本同時に演奏するし、なるほど迫力がある訳だ。オーボエのバンダがあることも今日始めて気が付いたが、次回聴く時には忘れてしまっているだろうな。

今日の日フィル、管も弦も高水準で、とりわけ低弦のアンサンブルがぞくぞくするほど綺麗だった。音に色気がある。
いつでも、どのオケでも「幻想交響曲」はハズレがないが、今日の演奏も満足度大だった。時々音楽で遊びが出るマエストロも、今日のプログラムでは遊ぶようなところもなく、正統的解釈を徹底していたように思う。

長崎に原爆が投下された8月9日ということで、アンコールにマスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲が演奏されたが、これが心に染み込んだよ。

♪2017-136/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-22