2017-08-02 @国立文楽劇場
並木千柳、三好松洛合作:源平布引滝(げんぺいぬのびきのたき)
●義賢館の段
豊竹靖太夫/野澤錦糸
豊竹咲甫太夫/鶴澤清友
●矢橋(やばせ)の段
豊竹亘太夫/野澤錦吾
●竹生島遊覧(ちくぶしまゆうらん)の段
竹本津國太夫・竹本南都太夫・竹本文字栄太夫・竹本希太夫ほか/鶴澤清馗
●九郎助住家(くろすけすみか)の段
豊竹希太夫/鶴澤寛太郎
竹本文字久太夫/竹澤團七
豊竹咲太夫/鶴澤燕三
豊竹呂勢太夫/鶴澤清治
◎人形
豊松清十郎・桐竹勘次郎・吉田簑太郎・吉田玉男・吉田文昇・吉田和生ほか
初めての国立文楽劇場。文楽を観たくてこのためだけにわざわざ大阪に出かけた訳ではないけど、最大の楽しみはこれ。
11年ぶりの大阪だし、特に日本橋方面は40年以上行ったことがない。迷っても困ると思って早めに出かけたら開幕までに1時間以上あったので、劇場内の資料展示室などを見て回った。国立劇場は開場時間にならないと中には入れないが、文楽劇場は劇場部分は2階にあり、そこには会場時刻を待ってモギリを通過しなければならないが、1階部分は出入り自由で、涼んだり、食事にだけ来る人もいるのではないか。「国立」と言っても、いかめしさはなくて親しみやすい。
資料展示室も開放的な上にボランティアのガイドが3、4人常駐しているようで、とっくにリタイアしたおじさん・おばさんが親切にいろいろ教えてくれる。文楽が好きで好きでしようがないという人たちの文楽愛を感じられたのも収穫の一つ。
半蔵門の「国立」とは随分様子が異なるのに驚いたが、気楽な感じにとても好感した。
さて、肝心の「源平布引滝」。文楽ではもちろん、歌舞伎でも観たことがない初モノ。もちろん概要は頭に入れておいたのだけど、登場人物も多く、話が複雑で、長い(正味3時間22分+休憩30分)。
早起きや新幹線移動の疲れも出て前半(義賢館の段)は睡魔との闘いだった。「八橋の段」から、覚醒し、そのあとは展開についてゆけたので良かった。
源氏再興の苦心談だ。そのために、主要登場人物の多くが出自・立場を偽っており、それ故の悲劇が繰り返される。
「平家物語」、「源平盛衰記」、これらに材を取った謡曲「実盛」など周辺に知識があればより楽しめたろう。
♪2017-133/♪国立文楽劇場-1