2017年8月6日日曜日

フェスタサマーミューザ2017 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 ≪シンフォニーで、ヨーロッパ旅行≫

2017-08-06 @ミューザ川崎シンフォニーホール


鈴木秀美:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」
メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」
ハイドン:交響曲第104番「ロンドン」
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アンコール
J.S.バッハ:カンタータ「汝、何を悲しまんとするや」BWV107から第7曲コラール「主よ、あなたの栄光を与えてください」

メンデルスゾーンが2曲とメインにハイドンの最後の交響曲というプログラム。
何でこういう組み合わせなのか、については鈴木秀美がプログラムに書いていたが、全然説得力が無い。ようするに、両方とも好きな作曲家という事のようだ。ならば、僕も全く同意できる。

鈴木秀美の「指揮」を初めて聴いたのは3年前の、今日と同じ神奈川フィルによるベートーベン「運命」ほかで、彼の疾走する「運命」に驚くと共に大いに感動して、それ以来ファンだ(もちろんチェリストとしても彼の演奏は愛聴している。)。今年の年末の神奈川フィルの「第九」の指揮は鈴木秀美なので、また新しい「第九」を聴けるのではないかと期待している。

今日のハイドンについては指揮ぶりの見当がつくがメンデルスゾーンはどんな音楽になるのだろうと興味津々だったが、これは案外フツーで、特徴らしいものを敢えて挙げれば、全体にややテンポが速い、特に終楽章のプレストに彼の日の「運命」を思い起こした。

「イタリア」を生で聴くのもずいぶん久しぶり。2014年に始めた鑑賞記録には出てこないから少なくとも2013年以前だ。
この曲は二十歳前後に初めて全曲をFMで聴いて、いっぺんに好きになった作品で、メンデルスゾーン開眼の作品だ。全4楽章のどれを取ってもワクワクさせる。まさにイタリアの陽光全開でその中にちょっぴりメランコリー(第2楽章)も含んで魅力的だ。

オケのアンサンブルに若干の不満(第1楽章始めの部分など)はあったが、この名曲をミューザの特等席(2階最前列。僕のお気に入りという意味)で聴くことができたのでまずは満足だ。

メインがハイドンの最後の交響曲104番「ロンドン」。
ハイドンにとって最後の交響曲だけど、僕にとってはハイドンの交響曲の中で初めて全曲を聴いた作品だ。これも20歳代に、初めて買った「ステレオセット」にオマケでついていたのが「ロンドン」と「V字」(だったかな?)をカップリングしたLPで、これがLPコレクションの最初の一枚となった。LPはとっくの昔にCDに置き換わったが、我がクラシック音楽鑑賞史にとって記念すべき音楽だ。

とはいえ、最近聴くこともなく(ハイドンの全作品CD150枚組聴破計画は交響曲の中程で頓挫している。)、随分久し振りの「ロンドン」は、もちろんそこここが聴き覚えのあるメロディーに溢れているものの、ああ、こういう音楽だったのか、と思う事頻りであった。

聴きながら、ベートーベンの初期の交響曲の第1番や2番とどこに性格的な違いがあるのだろうと考えていたが、達した結論は、ハイドンはとことん陽性であるという事だ。ユーモアがある。そこがハイドンの魅力でもある。

演奏時間にさほど変わりがないのに「イタリア」ではなく、オケの規模を同じにして「ロンドン」をメインに据えたのは鈴木秀美がハイドンに力を入れているからだろう。神奈川フィルのアンサンブルも「ロンドン」の出来の方が良かった。
ハイドンが初演した頃のオケの規模はずっと小さかったに違いない。今日も、「イタリア」の編成ではなく、もう少し小規模にすれば各パートの絡み合いももっと明瞭になったのではないかと思った。

♪2017-135/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-21

2CA1列38番