2017年8月11日金曜日

フェスタサマーミューザ2017 東京交響楽団フィナーレコンサート ≪ドラマティック、ラフマニノフ!≫

2017-08-11 @ミューザ川崎シンフォニーホール


秋山和慶:指揮
反田恭平:ピアノ*
東京交響楽団

≪オール・ラフマニノフ・プログラム≫
ピアノ協奏曲第3番ニ短調 作品30*
交響曲第2番ホ短調 作品27
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アンコール
モーツァルト:ピアノソナタ第11番イ長調 K331から第3楽章「トルコ行進曲」*


7月22日から始まったフェスタサマーミューザ2017の、今日が最終日。
ミューザをホームとする東京交響楽団がそのオープニングとフィナーレを飾るのが通例だ。
なぜか、ステージ周りと最上層の席を売らなかったアンサンブル金沢と昭和音大以外(僕が参加した全11回で)は多少の差はあったが、どの演奏会でもほぼ満席に近い状態だったが、今日は舞台後方席、ぐるぐる巻きの最上層部を含め客席は鈴なりだった。

フィナーレという事もあろうが、たぶん、ピアノ独奏に反田恭平が登場するのが満席の第一の要素だろう。クラシック音楽番組では時々目にし、耳にするが、彼のコンサートはチケットが発売と同時に完売するとも聞く。まさしく、今日の館内ポスターには「チケット完売」とあった。
今が旬の、最も人気のあるピアニストだろうな。

かくいう僕も、今日初めて反田恭平の生演奏に接した。
ドイツやオーストリアではなくロシアで研鑽を積んだせいか、肉体派ピアニストのようだ。元気がいい。迫力があるが、一方でえらく繊細でもある。

超絶技巧を要すると言われるラフマニノフの3番を(演奏会で)弾くのは今日が3回目だそうだ。僕もラフマニノフのピアノ協奏曲は2番なら耳タコだけど、3番となると(ナマでは)3回目かも知れない。そんな訳で馴染んでいるのは第1楽章だけで、これはいかにもラフマニノフらしい叙情性に溢れているが、第2楽章以降は演奏時間が長い(40分超)こともあり、面白さが分からないままに終曲してやれやれというのが本音だ。

反田恭平も弾き終えて息が上がって興奮状態のようだった。やはり、大仕事なのだろうな。
カーテンコールが繰り返されるうちに一息入れたようで、アンコールは意外にもモーツアルトの「トルコ行進曲」だったが、これが超高速で始まったので、ユジャ・ワンがアンコールピースにしているナントカ氏によるトンデモ編曲版かと思ったくらいだけど、そうではなくて、モーツアルトの原曲だったが、いやはや、猛烈なスピードだ。これで、ラフマニノフでみせたものとは別種のスーパーテクニシャンぶりを聴かせてくれた。

今日はオール・ラフマニノフ・プログラムということで、メインは交響曲第2番だった。こちらはピアノ協奏曲第3番と違ってラフマニノフの交響曲の中では演奏会で取り上げられる機会が多分一番多いだろう。僕も過去何度も聴いているし、アマオケ時代に自分でも演奏に参加しているのだからよほどか馴染みが強い。しかし、正直になとこいくら聴いても妙味が伝わってこないのだから困ったものだ。
第3楽章はとてもいい。ピアノ協奏曲第3番の第1楽章と同じくラフマニノフらしさを味わうことができるが、全体としては、やはり長過ぎる(60分超)。

まことに個人的な好みにすぎないかも知れないが、東京交響楽団が担当するミューザ夏祭りのオープニングとフィナーレの選曲が、毎年、「お祭り」らしくない。
僕は、ラフマニノフではカタルシスは得られない。最後くらい派手なオーケストレーションで華々しくブラスが咆哮するのを聴いてもお祭りを終えたいね。

♪2017-139/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-24