2017年8月1日火曜日

フェスタサマーミューザ2017 読売日本交響楽団 ≪爽やかな風、シネマ&ポップス≫

2017-08-01 @ミューザ川崎シンフォニーホール


渡辺俊幸:指揮
森山良子*
読売日本交響楽団

「サウンド・オブ・ミュージック」〜メインテーマ
映画「ひまわり」〜メインテーマ
「シェルブールの雨傘」〜メインテーマ
「ティファニーで朝食を」〜ムーンリバー
「ニュー・シネマ・パラダイス」〜メドレー
もしも「バック・トゥー・ザ・フューチャー」のタイムマシンが中世のイタリアへ行ったら
「スター・ウォーズ」~メインテーマ 

<森山良子の世界>
天井からスピーカーが

この広い野原いっぱい
家族写真
涙そうそう
子犬のワルツ(作詞:山川啓介)
さとうきび畑(ギター弾き語り)
あなたが好きで

NHK連続テレビ小説「おひさま」〜メインテーマ
NHK大河ドラマ「利家とまつ」〜メインテーマ
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アンコール
星に願いを(訳詞:山川啓介)*

渡辺俊幸について知っていることは、昔、さだまさしの音楽の名アレンジャーとして元々派手なつくりの音楽を一層シンフォニックに飾り立てていた事ぐらいで、すごい才能だなあ、と感心していたものの他の分野での活躍はまるで知らなかった。
今日のプログラムは、映画音楽やTVドラマの音楽など(この「など」が結果的には主役だったが。)が主体で、本編最後の2曲は彼自身が作曲した作品だそうだ。ほかにも名アレンジャーぶりを発揮した作品もあった。そして、読響を指揮する、というのだから、軽音楽からクラシックまで、作・編曲、指揮まで広い分野で長きにわたって活躍している訳だ。

さて、前半の映画音楽。よく知っている名曲ばかりだが、読響の響がざわついてあまり美しいとは思えない。一昨日、文化会館のピットから聴こえていた音の方が引き締まっていたような気がした。

休憩後は歌姫登場だが、それを挟んで再び読響だけで演奏した2曲(渡辺俊幸作・編曲)は、楽器が馴染んできたのか、音楽を知り尽くしている渡辺の指示がオケの毛細血管までに行き届いたか、弦の響きがとてもきれいになった。

個人的にはTVドラマは朝ドラであろうと大河であろうと見ないので、これらの音楽もまったく馴染みがなかったが、シンフォニックで壮大で聴き応えのある作品だった。

さて、後半(の前半)は森山良子が登場した。プログラムには5曲歌唱と書いてあったが、実際には6曲。そして、読響のドラマ音楽2曲(後半の後半)でコンサート全体が終演した後にカーテンコールで再度登場して(アンコール1曲のために衣裳が真っ赤に変わった。)もう1曲。

読響が、彼女が19歳でデビューした時に歌った「この広い野原いっぱい」のイントロを演奏し始めると舞台下手から白いドレス姿でマイク片手に登場し、歌い始めたその声にびっくり。実に透明でそれでいて豊かな声量。声の美しさはデビュー当時から喧伝されていて、僕もTV放送などでは知っていたが、ナマで聴くのは初めてだったので、これ程までとは思っていなかった。
あのすき透る声質と声量であれば、マイクを使う必要もないのではないか。ミューザの音響効果ならきっとナマの声を最上層まで届けるのではないか。是非ともナマで聴きたかった。

コミカルなお喋りも楽しくて、2千人の耳目と心を完全に掌握するエンターティナーぶりにも大いに感心。
もちろん、歌にこそ彼女の真価がある。
「涙そうそう」では涙腺を刺激されて困った。
「さとうきび畑」はギター1本で歌ったが、これも放送などで聴くのとは次元が違う音楽になっている。

ポップスなんて、とバカに…はしていないけど、軽く見ているのは事実(社会でも軽音楽という扱いだし…)だが、森山良子恐るべし。19歳でデビューして昨年50周年のコンサートを100回も開催したそうだ。てことは、御歳69歳か70歳。この道一筋の大ベテランが、成る程の実力を見せてくれて感動を与えてくれたのは、想定外。
かような事情で、今日は、読響コンサートというより、森山良子ショーの体であった。

♪2017-132/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-20