2017-08-02 @国立文楽劇場
並木千柳、三好松洛竹田小出雲合作:夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)
●︎住吉鳥居前(すみよしとりいまえ)の段
豊竹咲寿太夫/竹沢團吾
豊竹睦太夫/竹澤宗助
●釣船三婦内(つりふねさぶうち)の段
竹本小住太夫/鶴澤清公
竹本千歳太夫/豊澤富助
●長町裏(ながまちうら)の段
豊竹咲甫太夫・竹本津駒太夫/鶴澤寛治
◎人形
桐竹勘壽・吉田玉輝・吉田簑助・吉田玉也・桐竹勘十郎・吉田幸助
第2部は長尺だったが、こちらは3段構成約2時間。
江戸の侠客には馴染みが深いが、大阪も変わらないのが面白い。しかも姐さん方の筋の通し方が半端じゃない。引き受けたからには「一寸」も引かない。引けば「顔が立たない」。面目を無くせば生きているのは恥ずかしい。
最後「長町裏の段」は陰惨な場面。その終盤、三味線も義太夫もピタリと止まって、かすかな祭り囃子の笛が聞こえる中、歌舞伎でいうだんまり状態での殺し合いが不気味だ。
そして、やむを得ず仕事を終えた団七が、血しぶきまみれの身体に水を浴びて気持ちを切り替え、祭りの喧騒の中にひっそり紛れて消える、この幕切れの粋なこと。
♪2017-134/♪国立文楽劇場-2