2019-05-05 @東京国際フォーラムA
アレクサンドル・スラドコフスキー:指揮
タタルスタン国立交響楽団
ディアナ・ティシチェンコ (バイオリン)
アナスタシア・コベキナ (チェロ)
萩原麻未 (ピアノ)
ラケル・カマリーナ (ソプラノ)
シルバ・オクテット (室内楽)
モルダビア組曲 Jilea din bosanci
サラサーテ:バスク奇想曲 op.24
グラズノフ:ミンストレル(吟遊詩人)の歌
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 op.16
サン=サーンス:バッカナール(オペラ「サムソンとデリラ」から)
ベッリーニ:ああ、幾たびか(オペラ「カプレーティ家とモンテッキ家」から)
プッチーニ:私のお父さん(オペラ「ジャンニ・スキッキ」から)
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チャイコフスキー:ティムールの野営
長年皆勤賞を続けてきた「熱狂の日」も今年は忙しくてそれどころではなかったが、ようやく5日になってメドがついたので、最終日5日のプログラムの中から室内楽を中心に面白そうなものを探したが、それらはすべて売り切れ。仕方なくホールAでのコンサートを探したら流石にキャパ5,000人超のホールだ。この日の、ということは3日間を通じても最終プログラムでそこそこの席が空いていた。
前後左右のど真ん中のブロックなので、普通のコンサートホールなら特等席だが、何しろ、ホールAの1階席は縦に47列(中央ブロック)から49列(左右の両翼)もある。中央の中央といっても前から36列目だ。舞台からは遠い。みなとみらいホールやサントリーホールなどのやや大きめのホールと比べても36列目では壁を突き抜けて場外から聴くような距離だ。
そもそもアコースティック・ミュージックを演奏するには広すぎて音響はひどい。しかし、「熱狂の日」は参加することに意義がある、とかなんとか、自分を納得させて出かけた。
〜ジプシー=クレズマー・バンドと若き名手たちが贈る、魅惑の旅物語〜という副題がついていたが、雑多な構成のプログラムで、つまり、ロマやユダヤの音楽を含む、独墺からみるとエキゾチックな民族臭濃い音楽集だ。
興味深いプログラムだけど、あいにく音が悪い。
特にピアノが酷く、高域は耳に届く前にどこかに消えて行くらしい。萩原麻未がどうこういうより、グリーグの協奏曲の冒頭のピアノの強奏もティンパニーに埋もれてしまっていた。その後ももやもやと輝きのないピアノの音が残念だった。ピアノの音がこんなにもくぐもっているということは、オーケストラの音も同じようにぼんやりしている訳だ。
しかし、オケだけになってからの演奏は俄然本領発揮したように思った。もし、もっと前方で聴いていたらのめり込めたと思う。
「タタルスタン」という国名すら知らなかったが、帰宅後調べたらカスピ海沿岸から北に約千キロのロシア連邦内共和国だ。人口380万程度だから横浜市と同じくらい。その国立のオーケストラなのだから、国内随一なのだろうな。かなり高水準の演奏だったと思う。
終盤のサン=サーンスやアンコールのチャイコフスキーでは遠い席からではあったが、十分楽しめた。
館内客席も盛り上がって遠来のオケを労うような拍手喝采。
熱狂の日らしい終幕だが、会場を出たのはなんと22時44分だった。
♪2019-057/♪東京国際フォーラム-01