2014-03-17 @県立音楽堂
飛永悠佑輝指揮:横浜交響楽団
小船幸次郎:第一序曲 Op7
芥川也寸志:交響管弦楽のための音楽
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ニ短調 Op47
小船幸次郎という人については知らない人が多いだろうなあ。かくいう僕も数年前に知ったばかり。1907年生まれで1982年まで存命していた人だ。作曲家であり、指揮者であり、教育者で、横浜交響楽団の創立者の1人だ。
その小船氏が31歳の時に作曲し毎日音楽コンクールで1位入選したのが今日の第1曲め「第一序曲」。
管弦楽だけど、多彩な楽器編成で邦楽、雅楽的な要素をたっぷり織り込んだユニークで面白い音楽だった。もちろん初めて聴いた。
2曲めが芥川也寸志(1925~89)が24歳で作曲し、これもNHKの懸賞募集で特賞入選した「交響管弦楽のための音楽」全2楽章。
この作品については、3週間ほど前に、NHKBSpのクラッシク倶楽部が日本人作曲家名作選で芥川也寸志を取り上げた際に演奏され、録画していたので、何度も聴いて事前に耳を馴染ませていた。これも生演奏は初めて聴いたが、やはり、家で視聴するのと生ではこうも違うかと(家のオーディオシステムに)がっかりしたり(だからこそ生で聴く意味があると)得心したり。
3曲目のショスタコーヴィチも小船氏とは1歳違い(1906年~75年)。
つまり、今日のプログラムは現代音楽ばかりなのだけど、いずれも無調音楽ではない(「第一序曲」はそもそも西洋音楽の調性を当てはめるのが無理なのかもしれないが)。
いずれも、少なくともメロディを耳で追えるような調性はあるし、ショスタコーヴィチは作曲した交響曲や弦楽四重奏曲の全部に調号を付けている(今日の第5番はニ短調だ。)。
残された調性のおかげで、十分に現代ぽさを感じながら心地よい刺激がある。
今日の横響はレベルが高かった。
「第一序曲」の管楽器の不協和の重なりが雅楽の興趣を聴かせたり、ショスタコの第3楽章の消え入るような最終音に聖なる世界を響かせたあたり、おお、腕を上げたなあという感じがした。
最後に、アンコールの代わりに3.11から3年ということもあって、「花は咲く」が演奏され、歌詞カードを配られた観客も一緒に歌って、ちょっとうるっと来たよ。
♪2014-21/♪県立音楽堂-07