2017-11-04 @ミューザ川崎シンフォニーホール
ウィーン・カルテット
ウェルナー・ヒンク(1st.バイオリン)
フーベルト・クロイザマー(2nd.バイオリン)
ハンス・ペーター・オクセンホファー(ビオラ)
エディソン・バシュコ(チェロ)
ハイドン:弦楽四重奏曲第39番ハ長調「鳥」
モーツァルト:弦楽四重奏曲第17番変ロ長調「狩」
シューベルト:弦楽四重奏曲第14番ニ短調「死と乙女」
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アンコール
モーツァルト:弦楽四重奏曲第15番第3楽章メヌエット
ミューザで弦楽四重奏(又は三重奏、五重奏)の規模を聴く機会は少ないが、いつもなるべく1階の前の方で聴くようにしている。室内楽の規模では弦楽器同士の共鳴もないから音の質にさほど変わりがなく、前の席ほど当然音圧が高いから。もちろん、後ろに行く程残響効果があって響がまろやかになるから、そういう音が好きな人は音圧を犠牲にしても後ろで聴いたほうがいい。僕は原音が残響より勝っている席が好きなので前のめりで聴くことになる。
このカルテットは1964年に結成されたそうだからもう半世紀は経過する。その間、変わらなかったメンバーはウィーンフィルのコンサートマスター(1974-2008)だったウェルナー・ヒンクだけで、他は交代しているが、その3人も全員ウィーンフィルのメンバーだそうだ。
という訳で、全員腕に覚えあり。力みのまったく感じられない穏やかなアンサンブルに驚いたが、ちょっと穏やかすぎませんか。
とりわけ、「死と乙女」など、冒頭の強烈であってほしいTuttiが優しい。
昨年、若いカルテット「ジラール弦楽四重奏団」で聴いた「死と乙女」はまさに若さが弾けて強いインパクトを与えてくれた。響もとてもきれいだった。
今年7月に聴いた「ハーゲン・カルテット」の「死と乙女」でさえ物足りなかったのだけど、今回のウィーン・カルテットはそれ以上に隔靴掻痒であった。でも、ウィーンっ子のシューベルトの作品を元・現ウィーン・フィルメンバーが演奏するのだからこういう穏やかな演奏が正統的解釈なのだろうか。そうだとしたら「死と乙女」もちょいとつまらないな。
♪2017-171/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-29