
ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
ウィーン楽友協会合唱団
ソプラノ:ハンナ・モリソン
バリトン:ミヒャエル・ナジ
ブラームス:ドイツ・レクイエム 作品45
これまた、随分前から楽しみにしていたコンサートだ。

昨年春の東響定期で聴いた「ドイツ・レクイエム」もとても良かった。まあ、音楽自体が素晴らしいので、どこが演奏したって、そこそこの及第点は取れると思う。

隅々までブロムシュテットの感性が行き届いているのを感ずる。指揮者とオケは呼吸を一にして音楽を形作り、観客の呼吸もやがて同期して三者が一体となるという、稀な音楽体験を、ブロムシュテットの音楽では味わうことができるように思う。
そして、ブラームスの革新的レクイエムの美しさに浸ることができる、至福の85分。
ちょっと残念なのは、終曲してもブロムシュテットはかなり長い時間(タクトは持たないので)手を降ろさず、壮大な音楽の余韻を残した(後日の録画放映で測ったら、30秒も微動だにせず、やがて得心したように終わりの合図の印に頭を少し動かした。やはり、ブロムシュテットにとってこの音楽を締めくくるにはそれだけの時間が必要だった。)。
しかるに、慌て者がもう辛抱できないという感じでわずかに早いタイミングだがフライングの拍手をしてしまったのが残念だった。録画ではブロムシュテットの頭の動きと拍手の第一拍は重なっているように聴こえるが、これは後日の編集ではないかと思う。その場の雰囲気としては残念なフライングとしか聴こえなかった。明らかに3者一体の呼吸を乱した。

2017-179/♪NHKホール-11