2017-11-09 @みなとみらいホール
ヘルベルト・ブロムシュテット:指揮
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
レオニダス・カヴァコス:バイオリン*
ブラームス:バイオリン協奏曲ニ長調 op.77*
シューベルト:交響曲第8番ハ長調 D.944「ザ・グレート」
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アンコール
J.S.バッハ:無伴奏バイオリン組曲第3番第3曲サラバンド*
前回、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団を聴いたのは昨年の3月だから、こんな短い期間で再度聴けるとは思っていなかった。13日にもNHKホールで聴くので、今年は大当たりだ。
前回はマタイ受難曲で、これはもう至福の時間だった。
今回は別種の楽しみがある。
指揮のブロムシュテットの魅力だ。N響定期などで何度か聴いているが、昨年末の「第九」は実に素晴らしかった。彼の手にかかるとN響が普段のN響とはだいぶ違う音楽を演るのだから不思議だ。
そして、プログラムも魅力だ。今回は、オーケストラの魅力を存分に味わえるブラームスとシューベルト。独奏バイオリンのカヴァコスはTV放送を録画して聴いただけだが、かなりの売れっ子らしいからこれも楽しみ。
さて、ブラームスはカヴァコスが熱演だった。席も特等席だから、ソロ・バイオリンの音圧もオケに埋もれることなく、ビンビン響いてくる。ブラームスのギリギリ抑制した情緒・情熱に呼応して、いやその抑制を突破するが勢いで、惹きつけられる。
アンコールではJ.S.バッハの無伴奏曲の一部をサラッと弾いたが、本番でエネルギーを消耗したか、終演後に予定されていたサイン会は中止になった。まあ、そうかもな、と納得させた。
ブラームスも、シューベルトでも同様だが、ゲヴァントハウスの響は力強く、それでいて弦は繊細で透明感を保っている。昨年のN響「第九」でも感じたが、「神は細部に宿る」ごとく、フレーズの隅々までに神経が行き届いた精緻なアンサンブルだ。そして響は厚い。ブロムシュテットとゲヴァントハウスという紛れもなく世界一流の組み合わせで大好きなシューベルトの「ザ・グレート」を聴けたことのなんという幸せなことか。
また、みなとみらいホールの響が実によろしい。素晴らしい音楽が素晴らしい音楽空間にこだまして、これは得難い音楽体験だった。
♪2017-175/♪みなとみらいホール-42