2021-12-15 @ミューザ川崎シンフォニーホール
角田鋼亮:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
合唱:東京音楽大学
ソプラノ:澤江衣里
アルト :金子美香
テノール:村上公太
バリトン:青山貴
オルガン:花澤絢子*
J.S.バッハ:目覚めよと、呼ぶ声す BWV645
レーガー:クリスマスの夢 op.17-9
J.S.バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
-----以上3曲オルガン独奏*-----
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125
まず第1回目は日フィル。
その初っ端の「第九」がびっくりだった。
弦10型(10-8-6-5-4)という極小サイズ。
日フィルの「第九」は別にコバケンも5回振るので、要員を2手に分けたか…なんてことはないだろう。
小編成だと声部が聴き取り易いという利点はある。
だが、弦5部を縮小しても管の編成は変える訳にゆかない。
少数弦は共鳴も少なく、響きは薄い。
普段は弦に埋もれているような管のフレーズが聞こえてくるのも面白いけど、モダンな大編成に慣れた耳には違和感が強かった。
いっそ、楽器も弦も奏法も変えて古楽アプローチするのも手だが(昨年聴いたオルケストル・アヴァン=ギャルドの徹底した古楽アプローチは素晴らしい「革新の第九」だった。)、日フィルメンバーには慣れてないから無理だろう。
そんな訳で、中途半端な寂しい「第九」だった。
演奏のテンポは、特に速い感じはしなかったが終わってみると60分強で、長さもコンパクト(それ自体は全然問題じゃないけど。)。
低弦が少ないから4楽章のレシタティーヴォも”熱”を感じない。
合唱は60名全員マスクで歌った。60人も並んだ割にはこちらも”熱”を感じない。あのマスク何とかならんかい!
独唱陣は、3楽章前にこっそり入場して舞台奥で歌った。1F客席最前列から4列も閉鎖したのだから舞台前方で歌えば良かったのではないか(皆んな馴染みの歌手達なのに顔がよく見えない。)。
終演後のカーテンコールが盛り上がりに欠けたのは、角田クンのステージングが悪い。
せめて、ここでは独唱陣を舞台前に呼んで拍手を受けさせるべきだった。
みんなの「頑張り」が「歓喜」には至らなかった。
出鼻を挫かれた格好の「第九」だが、まだ残り7回!