2021-12-07 @新国立劇場
【指 揮】下野竜也
【演 出】栗山民也
【美 術】島次郎
【衣 裳】前田文子
【照 明】勝柴次朗
【再演演出】澤田康子
【舞台監督】斉藤美穂
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
蝶々夫人⇒中村恵理
ピンカートン⇒村上公太
シャープレス⇒アンドレア・ボルギーニ
スズキ⇒但馬由香
ゴロー⇒糸賀修平
ボンゾ⇒島村武男
神官⇒上野裕之
ヤマドリ⇒吉川健一
ケート⇒佐藤路子
ジャコモ・プッチーニ「蝶々夫人」
全2幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉
予定上演時間:約2時間40分
第Ⅰ幕 50分
休憩 25分
第Ⅱ幕 85分
全体として、軽快さもあるし、手際良さも感ずるのだけど、軽い印象だ。
1番のトピックは中村理恵の役デビューだろう。全篇出ずっぱりの歌いっぱなし。
なので、この役を破綻なくこなすだけでもう”立派”なものだ。
でも欲を言えば、誰が演じても15歳や18歳には見えないのだけど、娘のときめき、恥じらい、可愛らしさ、それでいて意地を通す胆力のようなものが欲しい。
演技が一面的だったのは、村上も但馬もAボルギーにも然りで、軽い。
それで愛の二重唱も花の二重唱も、感情移入ができなかった。
独唱アリア「お聞き…」はとても良かったけど。
過去2回は意識していなかったが、今回は、ほぼ四六時中舞台の高所に翻っている星条旗が目障りだった。
これは演出家の意図なのだけど、その高邁な意図するところが見えてこない。
また、蝶々さんにすれば自決の瞬間を子供が見ているとは気づかないのだろうけど、このような残忍演出は他に知らない。
子供の名前は、今は「悲しみ」、これからは「喜び」になるはずだったが、彼の名前には「恨み」が深く刻まれた。
オペラは「演劇」なり。
演出・演技に不満が残った。