2022-12-28 @東京文化会館
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
東京シティ・フィル・コーア
ソプラノ:田崎尚美
メゾ・ソプラノ:金子美香
テノール:与儀巧
バリトン:加耒徹
ベートーべン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125
例年は12月27日のN響@サントリーで聴き納めするけど、今年は1日延ばした。
飯守泰次郎の「第九」を聴きたかったから。
果たして、なんと幸福感に満ちた演奏会。
N響にはガッカリだったが、これを最後に入れておいて大正解だった。
会場が文化会館というのも良かった。
オケは弦14型!驚く事に今年12回目にして初めてこの編成で聴く。
因みにこれまで聴いた編成は10型-1、16型-2、12型-8。
そして今日の14型だ。
この編成はベートーベンが「第九」を初演した時の編成だと聞く。
この位でちょうどいいのだと思うよ。
さらに嬉しいことに、独唱者が舞台の前方に陣取った。これがコロナ前の標準形だ。
よくぞやった飯守「第九」!
このスタイルを、東京で一番好きな文化会館で聴けるとは!
なんだか、古き良き時代を思い起こさせる。
テンポはどの楽章もゆっくり目。4楽章の入りは4秒しか置かなかった。
それでも全曲72分37秒と昨日最長を更新した井上+N響を更新して12オケ中の最長だった。
しかし、モタモタしていた訳ではないのだ。
すべて自然に流れて、全く外連のない、妙な独自性も発揮しない、もう枯れて出来上がって、寸分変わらない鉄壁の「第九」だった。もちろん暗譜で。
オケもよく期待に応えて、スムーズに流れた。リスクポイントも難なく(完璧!とは言わないが)クリア。
独唱も、舞台前方に立っているのでP席や舞台最後部から聴こえてくるものとは異なって生々しい!
アマ合唱団はMaskで歌ったので発音不明瞭な部分もあったが、行進曲前のソプラノの絶叫も許容範囲。
心配は、飯守御大の足腰がだいぶ弱ってこられたことだ。入退場は戸澤氏ほかが腕を支えた。
2楽章途中からは座ったきりだった。
そういう姿を見て、N響とブロムシュテット翁の印象が重なった。
師弟愛というか、指揮者とオケの間は信頼と敬愛で結ばれている。
きっとそれが、良い演奏をもたらし、心温まる演奏会にしたのだろう。久しぶりに至福の時を過ごした。
演奏好感度★98点
♪2022-207/♪東京文化会館-15