2017年7月22日土曜日

フェスタサマーミューザ2017 東京交響楽団オープニングコンサート ≪ジョナサン・ノットが贈る、運命物語≫

2017-07-22 @ミューザ川崎シンフォニーホール


ジョナサン・ノット:指揮
東京交響楽団

シェーンベルク:浄められた夜 作品4(1943年改訂版)
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」


「浄められた夜」は音楽史的に有名だけど、聴いたことがなかった。シェーンベルクと言えば12音技法の発明者!面白くもない現代音楽をフェスタサマーミューザ2017のオープニングに演奏するのか、と少々呆れ顔で臨んだのだけど、これは勉強不足で、この作品は彼がまだ25歳、無調音楽移行する前の、初期の作品なので、後期ロマン派とでも言える作風だった。

オリジナルは弦楽6重奏曲で、これを1917年に弦楽合奏用に編曲し、さらに1943年に改訂した。本日の演奏はこの改訂版による。
全1楽章約30分間。これと言って劇的な展開がなく、ワーグナーの無限旋律のようでもあるが、一応それなりの旋律も形式感もあって捉えやすく、弦楽合奏としてのシンフォニックなアンサンブルの美しさもあり、悪くないなあと思った次第。

メインが「春の祭典」。
「浄められた夜」が弦楽合奏であったので、5管編成という超特大管弦楽の魅力が一層際立った。
変拍子の塊のような作品で、昔は大指揮者でも失敗することがあったそうだが、近年、どんな曲であれ、コンサートで演奏が止まったなんて話を聞かないのは、指揮者もオケの方もレベルが上っているのだろうな。

今回も、もちろんノットの指揮は澱みなく、オケは爆音を轟かせて「春の祭典」ならぬ「夏の祭典」をのオープニングを華々しく飾った。

♪2017-125/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-14