2017年7月8日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会みなとみらいシリーズ第331回

2017-07-08 @みなとみらいホール


ユベール・スダーン:指揮
佐藤俊介:バイオリン*
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

モーツァルト:歌劇「皇帝ティートの慈悲」序曲 K621
モーツァルト:バイオリン協奏曲第5番イ長調 K219「トルコ風」
シューマン:交響曲第2番ハ長調 作品61(マーラー編曲版)
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アンコール
J.S.バッハ:無伴奏バイオリン組曲第3番メヌエット

ユベール・スダーンといえば、東響の音楽監督を長く努めた人で、僕が聴いたのも、東響を指揮したものばかり。神奈川フィルへの客演は今回が初めてだそうな。

佐藤俊介の協奏曲は何度か聴いていたが、特に可もなく不可もなし。この人は古楽とモダンの両刀遣いらしいが、一度古楽の演奏を聴いてみたいな。

シューマンが問題だ。
シューマンは好きな作曲家ベスト5くらいには入るだろうか。
いい作品がいっぱいあるのに、どうにもこの交響曲第2番だけは近づき難いのだ。というか、率直に言って、少なくとも第1楽章は失敗作ではないのか、と大胆にも思っている。
他の3曲は、いずれも冒頭の掴みにそこそこ力があるので、スーッと入ってゆきやすいが、2番だけはもうオケがバラバラの感じでついてゆけない。これを上手に演奏した例も知らない。

マーラーがこの曲を他楽器へ移し替えるのではなく、管弦楽そのままという形で編曲し直したのは、曲に魅力はあるけど、オーケストレーションに問題があると感じたからではないか。

さて、そこで、本日のシューマン交響曲第2番はマーラー編曲版なのだ。どこをどう編曲したのか、そこが興味の焦点だが、あいにくと、オリジナル版も聴き馴染むほどに聴いていないので、違いなど分からないままであった。こういう比較をするなら、やはりスコアを見ながらCDを聴くに限るけど、CDはともかく(スダーン+東響でマーラー版シューマン交響曲全集が出ている。スダーンはやはりマーラー版がお好みのようだ。)、スコアの方はマーラー編曲版と銘うったものにお目にかかったことがないので見比べ、聴き比べもできない。

今日のマーラー版で、ひょっとして、と思ったのは第1楽章冒頭部分の金管と弦のメロディラインがオリジナルよりはっきりしていたような気がしたのと、同楽章と第4楽章の終わり方の派手派手しいところがマーラーの筆になるのかもしれない…かな。

♪2017-117/♪みなとみらいホール-29